日本で大ヒット上映中のアニメーション映画「君の名は。」の新海誠監督が今月21日に中国を訪問するのを前に、男主人公・立花瀧と女主人公・宮水三葉の普段の暮らしを捉えた一連の画像が公開された。同映画は12月2日に中国で公開される。
22日、中国伝媒大学で「初対面」をテーマにした「君の名は。」の発表会が開催された。新海監督は、「北京に来たのは初めてなので、中国の人々がこんなに僕のことを知ってくれているとは思ってもいなかった。一部の日本人より詳しい」と声を弾ませた。
「次はこれを超えるどんな作品を作るのか」との質問に、新海監督は、「『君の名は。』は、日本において驚くような興行収入を記録している。でも、数字を目標にしていては、良い作品は作れない。だから、自分は何を表現したいのか、どんな作品を作りたいのかを考えながら、作品を作っていきたい」と答えた。
今回の「君の名は。」は、すっきりしない雰囲気の中ストーリーが展開される過去の作品とは大きく異なり、ストーリーの中にコメディの要素も盛り込まれている。この変化について聞かれた新海監督は、「『秒速5センチメートル』を製作した時、日本の社会は安定している時期だった。だから、ちょっとした起伏を通して感情の変化を表現したかった。一方、2011年の東日本大震災以降、社会全体に危機感が生まれた。だから、心温まる作品を提供したいと考えるようになり、『君の名は。』では、作風に変化が生じた」と説明した。

新海誠監督は、ファンの間では「ポスト宮崎駿」との呼び声も高い。これに対し、新海監督は、「自分はポスト宮崎駿監督にはなれない。宮崎監督の作品は幼稚園児から大人まで楽しめるものだが、私の作品は少年少女の気持ちをメインに描いているので、宮崎監督の作品とはスタイルが異なっている」と謙虚に語った。