四川省成都市青羊区鑼鍋巷にある「成都原点」という記念プレートの前で24日、龐傳興さん(43)と5歳半になる息子の龐一くんは中国を逆時計回りで一周する旅を無事終えた。半年前の5月8日、父と子は、ちょうどこの場所から旅に出た。成都商報が伝えた。
父と子と一緒に旅に出たのは、みずからカメラマンの任務を引き受けた「強哥」のほか、1年余りかけて取りまとめ、出版した「恩人リスト」だった。そのリストには、1千人以上の自分を助けてくれたクラスメート、友人、先生の名前が書かれている。龐傳興さんは彼らに再会して感謝の言葉を述べ、そして息子にも感謝と愛について伝えたいと考えたのだ。
旅が進むにつれ、旧友に会うことが叶った龐傳興さんは嬉しさと同時に心配ごとも生じた。訪れた各地で、友人たちは準備万端整えて父子を歓待してくれたため、「自分は感謝の旅をしているというのに、反対に彼らに面倒をかけているのではないか?」という思いが胸をよぎったのだ。
自分は何をしたらよいのかと考えた龐傳興さんは偶然、新疆ウイグル自治区沢普県で働いている友達から、新疆出身のある大学生が、家庭の貧困から大学中退に追い込まれていることを知った。そこで彼はその学生に資金援助を申し出た。「我々は彼の実家まで訪れたが、赤貧そのもの、家中すきま風が吹いていた」と話す。彼はその学生に2万元(1元は約15.5円)を寄付した上、その学生が通う大学がある太原市に立ち寄った時、わざわざ本人に会いにいった。
その後も友人たちの助けを借りて、新疆の2つの小学校に通う児童に鞄と文房具100セットあまりを送った。龐傳興さんは「息子からプレゼントさせることで、息子も一緒に成長できた。もともと内気だった息子が、この時ばかりは落ち着いてしっかりしていた」と感慨深げに話した。(成都商報客戸端記者 于遵素/撮影 陶軻)(編集KM)
「人民網日本語版」2016年11月1日
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