旧暦の12月、福建省竜岩市連城県■溪村(■は草かんむりに止)で数世代にわたり引き継がれてきた祖廟の中には以前にも増して濃厚な酒の香りが漂っていた。黄保豊さんはここで伝統的な手法による客家米酒作りを行っており、今はちょうど春節(旧正月、今年は1月28日)に向けたネットショップの「年越し用品セール」の準備に追われている。新華網が伝えた。
黄さんは1980年よりこの村で酒造りを始めた。彼の日常はこの30数年間、ほとんど変わっていない。朝6時過ぎに起きて火をおこし、水に浸しておいたもち米を鍋で蒸し、かまどの火を丸一日絶やさない。かつて米酒は村の祝祭日や冠婚葬祭などで人々が好んで飲む酒であり、黄さんは酒造りで年間1万5000キロのもち米を使っていたものだった。しかし近年、伝統的な米酒が次第に売れなくなってきていた。同村出身の楊天吉さんは2013年、アモイで10年間働いた後、故郷の米酒が恋しくなり、帰郷して黄さんを訪ねたところ、黄さんが店仕舞い寸前の危機に追い込まれていることを知った。そこで楊さんは、黄さんと酒造りの技術改良を行い、レモンやキンモクセイ味といった新たな甘い味わいの米酒を開発した。さらにオンラインショップ「酒孤」を開き、淘宝網などのネット上の販路を通じ、伝統的な手作りの米酒の販売を展開。それと同時に微博(ウェイボー)などのSNSも利用し、客家の伝統文化を紹介することで、現在では同店の年間販売量は、数万本にのぼるようになったという。(編集YF)
「人民網日本語版」2017年1月16日
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