【国際観察】「グローバル・サウス」の議題を弄ぶ日本の狙いは?
今年のG7輪番議長国である日本は「グローバル・リーダー」を自任し、大国の野心を膨らませている。岸田政権は年初からあらゆる面で外交攻勢をかけているが、その中で一貫しているのが、西側陣営を代表して「グローバル・サウス」の国々を仲間に引き入れることである。(文:項昊宇・中国国際問題研究院アジア太平洋研究所特別招聘研究員)
「グローバル・サウス」諸国に対する岸田政権の外交活動から見ると、すでに日本は「グローバル・サウス」という概念を深刻に歪曲し、地政学的対立及び大国としての地位追求を推し進める道具としている。日本にとって、「グローバル・サウス」には3つの重要性がある。
第一に、「グローバル・サウス」は西側が大国間競争に勝つための鍵である。日本は、「グローバル・サウス」とは西側と中露以外の「第三の道」の選択、世界の枠組みにおける「中間勢力」であり、これらの国々の支持を得てこそ、西側は中露との戦略競争において優勢を占めることができると主張する。
第二に、日本の「大国としての影響力」を高めるための新たな戦場である。日本はG7広島サミットのホスト国としての役割を活かし、インド、ブラジル、インドネシア、ベトナム、コモロ、クック諸島など「グローバル・サウス」の代表的国々を対話パートナーとして招き、仲間に引き入れるために全力を尽くした。また、日本は、数の多い「グローバル・サウス」諸国は国連における「大票田」であり、これらの国々の支持を得ることが「常任理事国入り」という目標の達成に寄与すると考えている。
第三に、中国を牽制する戦略の新たな足がかりである。日本は「中国例外論」をでっち上げ、中国はもはや発展途上国ではないという理由で、意図的に中国を「グローバル・サウス」から排除している。日本の政界要人はアジア、アフリカ、中南米諸国を訪問する際、頻繁に「中国の債務の罠論」を騒ぎ立て、「一帯一路」(the Belt and Road)イニシアティブのイメージを毀損し、中国と発展途上国との関係の離間を煽っている。同時に、日本はインドの大国意識を利用して、意図的にインドを「グローバル・サウス」のリーダーとして持ち上げ、「中国を抑え込むためにインドを利用する」という企てを見せている。
日本が「グローバル・サウス」の議題を弄ぶのは、要するに自らの政治的目的を達成するために過ぎない。「グローバル・サウス」諸国はこの点を大いに警戒する必要がある。(編集NA)
「人民網日本語版」2023年8月18日
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