アジア初! 電磁カタパルト微小重力実験装置が試験運転開始
中国の電磁カタパルトにより微小重力実験を実現できる実験装置がこのほど試験運転を行い、1回目の微小重力実験を開始した。この装置は中国科学院宇宙応用工学・技術センターが開発・建設した4秒電磁カタパルト微小重力実験装置であり、アジア初の電磁カタパルト微小重力実験装置でもある。
その高さは44.5mにも達し、実験装置全体の内部は鉄骨構造で、「大型エレベーター」に似ている。溶接された箇所はなく、4万本以上のボルトによって正確に接合されている。
「大型エレベーター」の「かご」の位置に当たる筒型で上下に移動できる装置は、実験装置全体の実験モジュールで、直径は1.2m、高さは2m、重さは500kg。
この実験モジュールは、モジュールの中に実験サンプルを置いてから実験モジュールを毎秒20mの速度で上に射出し、落下させる。この過程で実験サンプルに4秒の微小重力環境を提供できる。射出に用いられるのが電磁カタパルト技術だ。
このような微小重力環境を必要とするのはどのような実験だろうか。同センターの張永康副研究員は、「これは主に先進設備に使われる。先端を行く物理実験ではこの絶対的な微小重力水準が必要になる」と説明した。
さらに、電磁カタパルト微小重力実験装置は正確な制御により、月または火星の重力をシミュレートした関連の科学実験を行える。
4秒電磁カタパルト微小重力実験装置はすでに1回目の実験を開始しており、より大規模な20秒電磁カタパルト微小重力実験装置も計画中で、その能力とレベルはさらに向上することになる。
4秒の微小重力装置と比べると、将来の次世代20秒微小重力実験装置の各種指標がさらに向上する見込みで、有人宇宙事業や深宇宙探査などの国家重要プロジェクトにより効率的で便利な地上微小・低重力技術検証条件を提供する。
同センター電磁技術研究室の張建泉室長は、「将来的に重要科学技術インフラの運営がある程度に達し、安全性の検証で問題がなければ、人間も中に入ることができ、例えば宇宙飛行士の無重力訓練または無重力体験、宇宙体験を行える」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2023年9月25日
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