専門技能で実体ある小売にサービスを提供する「デジタル職人」

人民網日本語版 2023年10月11日14:48

資料写真(画像著作権は東方ICが所有のため転載禁止)

資料写真(画像著作権は東方ICが所有のため転載禁止)

ここ数年、デジタル技術と小売サービスの融合が加速するにつれ、多くの新しい職業が次々に登場した。デリバリー運営マネージャーやドローン操縦士といった「デジタル職人」が今、実体経済の繁栄・隆盛を後押しする重要な役割を果たしている。

「デジタル職人」は従来の技能人材と異なり、現代の工業技術・技能レベルに達すると同時に、スマート化・ネットワーク化の技能を身につけ、デジタル技術に浸透融合して従来型産業を改良し向上させることができる複合型の技能人材と定義される。今年3月、社会科学文献出版社などの機関が発表した「産業デジタル人材研究・発展報告(2023年)」は、「目下の中国のデジタル人材は全体で2500万人から3000万人ほど不足し、デジタル人材ニーズはこれからも拡大し続けるだろう」とした。

「デジタル職人」が実体ある小売の発展を後押し

1996年生まれの王文博さんは、現在はフードデリバリー大手「美団」のドローン上海運営センターの代表キャプテンで、チームと共に上海市の百聯金山ショッピングセンターの営業圏内でドローンによる配達を行い、ドローン操縦士が物流全体でのドローンクラスターの高効率・安全で信頼できる活動を遠隔で指揮・コントロールできるよう保証する役割を担っている。

人的資源・社会保障部(省)が2019年に発表した「新職業――ドローン操縦士雇用景気現状分析報告」によると、ドローン操縦士は25-35歳が半分以上を占め、その大部分の収入が各地の平均水準を上回り、高い場合が平均の2倍にもなる。また多くの職場で新入社員が希望する仕事のポジションだという。

小売サービス業のイノベーションが絶えず行われるのにともない、一連の新職業が登場し、より多くの雇用チャンスをもたらした。

1998年生まれの范驁文さんは、現在はデリバリー運営マネージャーをしている。この職業は小売サービスの発展にともなって生まれた新職業で、主としてデリバリープラットフォームに出店した業者にサービスを提供する。登録・ログインからイベント・PR活動まで、マネージャーたちは業者の「知恵袋」となり、専門的な視点から業者のオンライン運営計画を立て、露出を増やすこと、来店率、注文率、リピート率を上げることを目指す。

このマネージャーの仕事は街をぶらぶらしてばかりいるように見えるかもしれないが、范さんは、「この仕事の中核は業者がデジタル化運営能力を高めるようサポートすることにより、より多くの消費者のニーズに応えるというところにある」との見方を示した。

そこで范さんとそのチームは「品質についての業者運営診断表」を共同で作成し、マネージャーが重要な動きの詳しい状況に基づいて業者の運営状況を評価判断できるようにした。遅行指標があれば、業者に専門的なソリューションを提供し、業者が目標を達成し向上するよう迅速にサポートしている。

范さんの支援の下、范さんがサービスを提供する「小阿婆本帮菜」、「醉蜀府」、「毛家湘菜」など各業者はデリバリー受注が爆発的に増加した。成長率は順に1300%、570%、210%に達して、デリバリーの月間注文件数はいずれも1万件を超えた。

まだ登場したばかりでこれから急成長する段階

衣食住・移動をはじめとするサービス消費が住民の消費支出に占める割合が年々上昇しており、サービスの消費ニーズには極めて大きな成長の可能性がある。データを見ると、今年1-8月の小売サービスの売上高は前年同期比で19.4%増加し、商品の小売額の成長率を明らかに上回り、中国経済の発展における新たなエンジンになった。

小売サービスの急速な発展の下で、従来型サービス業の形態とデジタル経済が高度に融合して、独特の雇用の新形態を生み出した。ドローン操縦士を例にすると、同部が発表した「中華人民共和国職業分類大典(2022年改訂版)」に、すでに細分類職業の1つとして収録されている。現在、中国国内の多くの大学や専門的育成機関もドローンの飛行訓練、航空写真撮影、巡回検査、ドローン組立調整検査修理技術者などのカリキュラムや専門を相次いで設置して、ドローン業界のためにより多くの質の高い人材を育てている。

「職業分類大典」に組み込まれたデジタル人材以外に、一部の「デジタル職人」がまだ登場したばかりでこれから急成長する段階にある。小売サービスが爆発的に発展するようになると、今後ますます多くの新職業が登場することになるだろう。(編集KS)

「人民網日本語版」2023年10月11日

注目フォトニュース

関連記事