浙江省の「あしながおじさん」が今年も108万元寄付 25年連続で総額1577万元

人民網日本語版 2023年11月17日14:01

浙江省寧波市慈善総会は今月15日、「順然」と名乗る慈善家からの書留郵便を受け取った。中には振込証明書が110枚同封されており、その合計額は108万元(1元は約20.8円)だった。

寧波市慈善総会は16日の取材に対して、この浙江省の「あしながおじさん」は、1999年から毎年、同会に寄付をしており、今年で25年目、総額は1577万元となったことを明らかにした。

送られてきた振込証明書のうち、108枚は金額が9999元、1枚は55元、最後の1枚は53元となっていた。取引銀行は中国郵政儲蓄銀行海曙区鼓楼支店と中国郵政儲蓄銀行江北区支店となっており、振込依頼人住所にはいずれも実際には存在しない「人民路1号」と書かれていた。

浙江省の「あしながおじさん」にはいくつかの特徴がある。まず、「成り行きに任せる」という意味の四文字熟語「順其自然」の中からランダムに2文字を使った名前で寄付をしており、今年は「順然」という名前を使っていた。また、振込依頼人住所には実際には存在しない住所が書かれている。次に、1万元以上振込をする時は本名で署名する必要があるため、1回当たりの送金額を9999元以内にしている。そして、毎年、11月末か12月初めに振込んで、振込証明書を寧波市慈善総会に郵送している。

浙江省の「あしながおじさん」の意向通り、寧波市慈善総会はここ20年以上にわたって、寄付金を勉学支援や教育などの面に使い、メディアを通して、それがどのように使われているかを公表してきた。「順其自然」を代表とする社会各界の愛の力に支えられて、寧波はすでに、大学新入生や在学中の大学生を対象とした支援、レインボー勉学支援、ペアリング勉学支援、個別支援などが一体となった勉学支援体系を構築してきた。そして、寧波市に戸籍を置く学生だけでなく、同市に留学している外国人留学生も受益者となっている。「順其自然」の寄付は近年、ペアリング支援を実施する地域の教育条件改善のためにも用いられている。例えば、2019年の100万元は、黔西南布依(プイ)族苗(ミャオ)族自治州の寧波・貴州児童体験館建設プロジェクトに、2020年の103万元は、四川省涼山彝(イ)族自治州の教育施設改善、個別支援に、2021年と2022年の100万元は、同州の勉学支援と教育施設改善プロジェクトに用いられた。

中国民政部(省)は2015年、浙江省の「あしながおじさん」に「第9回中華慈善賞」授与を決めた。また、浙江省公文書館は2018年、特別展「大写浙江」を開催し、同省の傑出した人物124人を選出した。その中には物理学者の銭学森氏やノーベル生理学・医学賞受賞者の屠呦呦氏、実業家・慈善家の邵逸夫氏などと共に、「順其自然」の名前も並んでいた。124人の中で「順其自然」だけが唯一、本名ではなかった。(編集KN)

「人民網日本語版」2023年11月17日

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