雲南省に伝わる無形文化遺産「尼西黒陶」
「世界の香格里拉(シャングリラ)」をテーマにした取材活動で16日、2000年以上の歴史を誇る中国の国家級無形文化遺産「尼西黒陶」を生産する雲南省迪慶蔵(デチェン・チベット)族自治州香格里拉(シャングリラ)市尼西郷湯満村湯堆エリアを取材した。人民網が報じた。
香格里拉市の中心部から約30キロ離れた所にある尼西郷は昔、茶馬古道(唐の時代から形成された中国南西エリアと北西エリアの茶と馬の交易ルート)を利用する人が必ず通過する場所だった。「尼西」は蔵語で「太陽が昇る場所」を意味している。独特な自然条件と地理条件を備え、土壤はミネラルを豊富に含み、黒い陶器「黒陶」の重要な産地となっている。黒陶は茶器や酒器、炊事道具など、現地の人々の生活用品として浸透している。なかでも湯堆の黒陶の技術が最も有名だ。
黒陶作りには、土を掘って、干し、篩にかけ、成形し、乾燥させ、本焼き後に磨くといった工程があり、完成品は「漆のように黒く、玉のように輝いている」と称えられている。一部の陶器の生産地では、大規模生産が行われている一方、尼西黒陶は伝統的な工法に基づき、現在も手作りが続けられている。2008年6月、蔵族の黒陶制作技術は中国の第2陣国家級無形文化遺産代表性リストに組み込まれた。
湯満村・村民委員会の知詩尼瑪主任によると、尼西郷は職人や見習いに対して技術を伝承すると同時に、民間の工房が発展するよう積極的に働きかけ、黒陶の新製品を開発し、マーケティングを展開している。2022年の時点で、尼西郷において黒陶を生産している世帯は約40世帯から108世帯に、制作従事者は45人から150人以上に増加した。現時点で、湯堆エリアには、蔵族黒陶制作技術代表性伝承人が8人、そのうち国家級伝承人が1人いる。
近年、若い世代の職人が育つにつれて、黒陶の花瓶や装飾品、コーヒーカップといったバリエーションもどんどん増えている。販売ルートもどんどん拡大し、オンラインとオフラインでの販売が平行して発展し、中国国内外で販売されるようになっている。(編集KN)
「人民網日本語版」2023年11月29日
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