大晦日を一緒に過ごす「メシ友」探しなど若者の春節の過ごし方あれこれ

人民網日本語版 2024年02月08日11:14

春節(旧正月、2024年は2月10日)を目前に控え、中国のSNS上では、「大晦日を一緒に過ごしてくれる『メシ友』募集中」や「春節の日に一緒にランタンフェスティバルに行ってくれる『仲間』募集中」など、「春節を一緒に過ごす仲間」を探す若者の書き込みが増えている。今年、現在の居住地である北京で春節を過ごす女性・瀋さんもその一人で、「一人で年越しするのは寂しすぎるので、大晦日の日は『メシ友』としゃべりながら食事をしたい」と話す。中国新聞社が報じた。

中国の若者の間ではこのところ、特定のニーズを満たすための仲間を指す「搭子(○○友)」が人気となっている。「搭子」は自分と同じ趣味や目的を持ち、気の合う「一時的な仲間」となってくれ、互いに支え合うことができる。例えば、互いに刺激し合うことのできる「ジム友」、体力的に釣り合いがとれていて、一緒の部屋に泊まることができる「旅友」、「2杯目は半額」といったサービスを提供するミルクティー店に一緒に行く「チャ友」といった具合で、趣味や目的さえ一致すれば、何でも「○○友」にしてしまうことができるのだ。

こうした斬新な人付き合いのスタイルが、若者の春節の過ごし方にも取り入れられるようになっている。春節に合わせた連休中、帰省せずに一人で現在の居住地で過ごす若者にとって、家族や友人の代わりに、「年越し友」を探すというのがその選択の一つとなっている。瀋さんは、「『搭子』を見つけることで、『友達の輪』を広げることができ、親友に出会える可能性もある。一期一会になることもあるが、いい思い出を作ることができればその価値はある」としている。

一昔前であれば、春節というと、普段食べることのできないご馳走を食べたり、新しい服を着たり、家族と一家団欒を楽しんだり、新年の挨拶のために親戚回りをしたりして、セレモニー感や幸福感を味わっていた。しかし、時代の移り変わりとともに、ますます多くの若者が「春節の過ごし方の主導権を握る」ようになってきており、伝統的な行事にもより新たな息吹が吹き込まれ、斬新な過ごし方も登場するようになっている。

ショッピングサイトの報告によると、現在、年越し用品の準備にはすでに若者も加わるようになっている。ただ一昔前の人々が、市場に行って年越し用品の「争奪戦」を繰り広げていたのとは異なり、今の若者は、オンラインで年越し用品を購入する「主力軍」となっており、新鮮な野菜や果物、冬服、スマート家電といった商品の売り上げが絶好調となっている。そして若者が「主導権を握る」家庭の春節の食卓には、地元の定番料理のほかに、内蒙古(内モンゴル)自治区の羊肉や重慶の火鍋、東北エリアの冷水魚など、中国各地のグルメもずらりと並ぶようになっている。

こうしたバラエティに富んだ春節の過ごし方は、伝統を覆しているのではなく、伝統を基礎に、柔軟な発想で、さらにラインナップを充実させ、積極的に感情的なニーズを満たそうとしているのだとする分析もある。(編集KN)

「人民網日本語版」2024年2月8日

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