「村CEO」になった雲南省出身の青年 農村振興に新たな活力を注ぐ
コーヒーショップで働く苗(ミャオ)族の女性
「『CEO』は知っていたが、『村CEO』が何なのか最初は全く分からなかった」と話す柏令さんは、雲南省昭通市彝良県洛沢河鎮竜潭社区大苗寨(ミャオ族の集落)自然村にある「雲中苗寨」の村CEOだ。「村CEOになるためには、豊富な管理の経験や市場の資源が必要であるほか、村の資源を活性化させて収益を上げ、市場化運営を通して、農村全体の経済を発展させなければならない」と柏さんは話す。
「農村プロフェッショナルマネジャー」とも呼ばれる「村CEO」は、「農業を愛し、技術に精通し、経営に長けている」プロフェッショナルな人材を指す。端的に言えば、農村でビジネス展開をサポートする人材だ。中国人力資源・社会保障部(省)を含む当局は2019年、新職業13種類を発表。「村CEO」はそのうちの一つに選ばれた。
「雲中苗寨」は、昭通市が進めている3つの「貧困を脱却して豊かな暮らしを実現するための先導モデルプロジェクト」の一つだ。2021年7月、中国農業大学国家農村振興研究院の李小雲教授が率いるチームの指導の下、昭通市は「貧困を脱却して豊かな暮らしを実現するための先導モデルプロジェクト」の実施場所として「大苗寨」を選び、2022年7月、レストランやコーヒーショップ、バーベキューコーナー、民泊施設など多くの業態が集まる「雲中苗寨」が正式にオープンした。
その後、新業態の経営と管理の面で有能な人材を必要としていた「雲中苗寨」は、中国全土から「村CEO」を募集した。雲南工商学院を卒業した後、ある飲食関係のチェーン店で経理や仕入れ、後方勤務の責任者などを担当した経験のある「90後(1990年代生まれ)」の柏令さんは、2022年8月にその募集を偶然目にして応募。そして105人の応募者の中から、「雲中苗寨」の村CEOに見事選ばれた。
村CEOになってから、柏さんは民泊施設を建設し、コーヒーショップをオープンさせ、ご当地グルメをPRし、サービス基準を規範化するなど、その経営と管理に日々勤しんでいる。
昨年の「花山祭り」では、柏さんは苗族の伝統的なお酒「牛角酒」を飲んだり、伝統的なお餅「糍粑」を作ったり、キャンプファイヤーをしたりするイベントを企画。観光客が苗族の暮らしを体験できるようにしたところ、祭り開催期間中に、33万元(1元は約20.9円)の売上高を記録した。また、今年の春節(旧正月、今年は2月10日)期間中、「雲中苗寨」は、春節を祝う各種イベントを開催し、各地からやって来た観光客が山村の暮らしを存分に楽しんだ。
2022年7月にオープンして以来、「雲中苗寨」の来園者は累計で延べ25万人以上、売上高は350万元以上に達し、1世帯当たり約5000元の増収を実現した。(編集KN)
「人民網日本語版」2024年2月28日
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