1千個超の化石片をつなぎ合わせ、アンキロサウルス亜科の新種を発見

人民網日本語版 2024年03月01日15:46

辰年に、中国の恐竜の種がまた増えた。中国地質大学(北京)の邢立達准教授らが、江西省会昌県の道路工事で発見された1000個以上の化石片の整理・修復を行い、この化石がアンキロサウルス亜科の新種「英良達泰竜(Datai yingliangis)」であることを発見した。関連成果はこのほど、「Vertebrate Anatomy Morphology Palaeontology」に掲載された。研究チームは29日に成果発表会を行った。人民網が伝えた。

2016年、大学2年生の鈕科程さんは、ネットで化石の手がかりを発見した。当時、江西省会昌県貢水河沿岸では道路工事が行われていた。現地のある村人が、路傍に散乱する割れ石の中に、かすかに白いものがあることに気づき、それを撮影した写真をネットにアップした。鈕さんは、「小さい頃から化石が好きで、ずっとこの趣味を続けている。写真を見て、アンキロサウルスの化石だと判断した。この化石は粉々に割れており、最も小さい破片は指の爪ほどしかなく、全部で1000個ほどあった」と振り返る。それから2年後、化石愛好家のコミュニティで、この割れた石の写真が再び見られるようになった。当初写真をアップし、問い合わせの書き込みをした村人はこの割れた石を大事に保管していた。鈕さんはさらに研究を進めるために、この村人に化石を寄贈してほしいと頼んだ。

その後、研究者は福建省英良石材自然歴史博物館の修理室で1400個以上の破片を整理し、それらをつなぎ合わせる作業に着手した。鈕さんは、「立体的で不規則的なパズルのようだった。2ヶ月近くかかってようやくそれぞれの化石の位置がほぼ判明。その後の化石修復にはさらに半年以上かかった。この化石は完全な骨組ではないが、幸運にも頭部の保存状態が良好で、頭骨や歯など、種の鑑定と研究に必要な重要情報が残っていた」と話す。また、邢准教授は「修復してみると、化石の標本は、重なるようにして保存されている2頭の個体だった。2点の標本はいずれも成獣になっていない個体で、体長は約3.5メートルから4メートル」と説明する。

研究チームが名付けた「英良達泰竜」という名前には、安泰になるという意味が込められている。同恐竜の発見は、白亜紀後期の前期のアンキロサウルス亜科に対する重要な補完となり、アンキロサウルス亜科とアンキロサウルス亜科以外のアンキロサウルス科の分化に新たな証拠を提供した。この化石が重なった状態で埋まっていたことは、アンキロサウルスの行動学の研究にとっても追加情報となった。これはアンキロサウルスの群居行動と関連している可能性がある。(編集YF)

「人民網日本語版」2024年3月1日

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