中国の学者が「中国経済頭打ち説」に反論 日本の轍は踏まない

人民網日本語版 2024年03月07日11:18

最近、米国の一部の学者が「中国経済頭打ち説」を喧伝し、中国を「米国経済との開きがますます大きくなる次の日本」と見なしている。これに対し、全国政協委員を務める北京大学新構造経済学研究院の林毅夫院長は、全国両会(全国人民代表大会・中国人民政治協商会議全国委員会)の会期中に記者からの質問に、「一部の人は中国が日本の轍を踏む可能性があると見ているが、私はこの見方にあまり賛同しない」と答えた。

林院長は、「1990年代初頭、日本経済が米国を追い抜くと予測する人がたくさんいたが、結果は追い抜かなかったばかりか、米国との開きが拡大する一方だった。日本のような状況が中国では発生しない」と指摘した。

90年代の日本は人口高齢化が起こり、経済成長が鈍化した。中国も現在、高齢化の課題に直面しているが、林院長は、「経済成長にとって労働者数はもちろん重要だが、より重要なことは有効な労働、つまり労働者の数に労働者の質をかけたものだ。中国の人口を考えると、これまでは『数のボーナス』だったのが、現在は『質のボーナス』になった。世界の国を観察してみると、中国を含め、先進国に追いつき追いつこうとする段階にありながら『先進国になる前に高齢化が始まった』国は、高齢化に入る前の10年間と高齢化に入った後の10年間に経済成長率が低下しなかったばかりか、逆に上昇していることが分かる」と指摘した。

林院長は、「日本は90年代に一人当たり国内総生産(GDP)が米国を抜き、その代表的な産業技術も同じく世界の最先端だったが、米国の技術に対する抑圧によって、日本は、半導体という先端産業を断念した。中国はニューエコノミーの圧倒的多数の分野で先進国と同じスタートラインに立ち、人材や市場などの面における優位性も備えており、一部の技術がやや出遅れていても、新型の挙国体制を利用して技術の開発とブレークスルーを達成することができる」との見方を示した。

産業政策による支援の面について、林院長は「80年代以降、日本は政府が産業政策を制定すべきではないと考えたために、技術イノベーションと産業高度化が停滞し、生産力の水準も相対的に低迷する状態に陥った。産業政策を用いずに先進国に追いつき追い越すことのできる発展途上国はなく、産業政策を用いずに技術におけるリードを維持し続けられる先進国もない。中国がここ数年に新しい科学技術の分野でブレークスルーを遂げられたことは、政府の産業政策と切り離せない」と述べた。

林院長はまた、「中国は絶えず技術イノベーション、産業高度化を進め、生産力のレベルを絶えず向上させるだろうと確信する。また新たな質の生産力が絶えず登場して、中国経済は相対的に高い成長率を維持することができ、日本のような状況は出現しないことも確信する」と述べた。(編集KS)

「人民網日本語版」2024年3月7日

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