安定化装置としての「中欧班列」の役割 地政学的リスクの影響で浮き彫りに

人民網日本語版 2024年03月11日16:43

しばらく前から、紅海の安全状況が持続的に悪化しているため、海運会社は迂回を余儀なくされ、海運コストが大幅に上昇し、到着日時が予測困難となり、グローバルな産業チェーンとサプライチェーンの安定性は深刻な打撃を受けている。海運難が解消されない中、「国際定期貨物列車『中欧班列』の予約が早々に埋まった」、「紅海危機によって中国がフロントランナーであることが証明された」といった見出しが、海外メディアの紙面を飾るようになった。紅海危機など地政学的リスクによる世界の物流とサプライチェーンへの打撃は、安定化装置としての中欧班列の役割を一層浮き彫りにした。新華社が伝えた。

■中欧班列は外的環境の影響を受けにくく、安定性が高い

中欧班列は全行程の到着・出発時間、停車駅などが明確な路線を複数開通し、沿線各国の鉄道は固定のダイヤや路線等を定め、通関駅での貨物積替や接続などの作業を合理的にコントロールしている。国内外での全行程の輸送時間が比較的決まっているため、顧客は生産・物流・貿易・資金回転などについて安定した予測が可能で、国際産業・サプライチェーンの円滑性がより良く確保されている。米国メディアは、紅海危機など地政学的リスクによって海運の要衝の脆弱性が露呈したのにひきかえ、ユーラシアを横断する鉄道貨物輸送は信頼性や定時性がより高いと指摘する。

また、中欧班列はコストパフォーマンスでも明らかな強みを持つ。シンガポール紙「聯合早報」は業界関係者の話として、紅海危機勃発後、中欧班列への貨物輸送需要がすでに100%増加したことを報じた。重慶から欧州への鉄道コンテナ輸送料は需給関係の変化により約20%上昇したが、それでもなお現在の海運輸送料より約3割安く、海運は中欧班列に対する価格優位性をすでに失っている。より効率的であることも、海運に対する中欧班列のもう一つの強みだ。中欧班列は重慶から欧州にわずか15~20日で到着するが、これは紅海海運より7~10日速い。中欧班列は今も効率を高め続けており、現在では西安ー独デュースブルク間をわずか10日で往復するが、これは2023年時と比べると2日間、開通初期と比べると約1週間短縮されている。

米誌フォーリン・ポリシーは、「紅海危機によって中国がフロントランナーであることが証明された。『一帯一路』(the Belt and Road)イニシアティブは、各国が自国の利益のためにすべき事を示している。つまり、できるだけ多くの供給ルートを構築することだ。これによって、予測不能な供給中断によるリスクを軽減するだけでなく、自国の連結性と影響力も高めることもできる」と指摘する。(編集NA)

「人民網日本語版」2024年3月11日

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