田植えをする出稼ぎ労働者専用特別列車を25年連続で運行 黒竜江省

人民網日本語版 2024年05月08日16:45

田植えをする出稼ぎ労働者460人を乗せた特別列車「K5161号」が7日午後4時56分、黒竜江省の綏化駅から、三江平原に向かって出発した。中国鉄路哈爾浜(ハルビン)局集団有限公司は25年連続で、田植えをする出稼ぎ労働者を対象とした特別列車を運行している。中国新聞網が報じた。

田植えをする出稼ぎ労働者を対象とした特別列車に乗り込む女性(写真提供・中国鉄路哈爾浜局集団有限公司)。

田植えをする出稼ぎ労働者を対象とした特別列車に乗り込む女性(写真提供・中国鉄路哈爾浜局集団有限公司)。

黒竜江省の三江平原エリアは水稲の作付面積が広く、その品質も高く、食糧総生産量は中国全土の9分の1を占め、中国の重要な食糧生産地で、商品穀物の生産拠点となっている。毎年春になると、田起こしや田植えのためにたくさんの労働者が必要となる。出稼ぎ労働者は約20日間で、1万元(1元は約21.5円)ほど稼ぐことができる。

出稼ぎ労働者をサポートするため、中国鉄路哈爾浜局集団有限公司は2000年から、特別列車を運行してきた。ここ25年の間に、出稼ぎ労働者約190万人が特別列車に乗って三江平原に来て、田植えをしてきた。

特別列車の運営に携わってきた綏化駅の職員・張業勝さん(51)は、「2000年以前は、駅の前の広場が大混雑していた。田植えをする出稼ぎ労働者は、保存食を持って、荷物を背負っており、引っ越しするかのようだった」と振り返る。

そして、サービス施設の移り変わりについて、「2015年に綏化駅の拡張工事が行われ、収容人数が500人増えた。その後、石炭を燃料とする『緑皮車』(従来の普通列車)から空調設備の整った列車へとグレードアップし、さらに、電子版切符が採用されるようになり、自宅でスマホを操作して予約できるようになったため、出稼ぎ労働者は切符を買うために、駅に来て列に並ぶ必要がなくなった」と説明する趙さんの言葉は喜びにあふれていた。

車内でビールを飲みながら会話する男性たち(写真提供・中国鉄路哈爾浜局集団有限公司)。

車内でビールを飲みながら会話する男性たち(写真提供・中国鉄路哈爾浜局集団有限公司)。

斉斉哈爾(チチハル)区間のK5161号の陳勛車掌によると、列車に乗る出稼ぎ労働者の姿も大きく変わったといい、「田植えをする出稼ぎ労働者たちは、以前は大きな荷物を背負い、蒸しパンの『饅頭(マントウ)』や漬物を携帯していた。でも今は、多くの人が寝台車両を選び、食堂車で少しお酒を飲みながら料理を食べている。スーツケースを引き、服もオシャレで、旅行に行くかのようだ。列車のサービスもそれに伴ってグレードアップしている」と説明する。

ここ25年、生産の機械化が普及するにつれて、田植えの機械化率も大幅に高まり、出稼ぎの仕事として田植えを選ぶ若者も増えている。さらに良いサービスを提供するべく、列車内では、人材募集情報が掲示されているコーナーもあり、労働者が自分で連絡を取ることができるようになっている。また、専門の弁護士が車内で法律教室を開き、労働法を紹介している。さらに農業技術専門家も車内で農業知識講座を行い、出稼ぎ労働者に最先端の農業生産知識を紹介している。

出稼ぎ労働者に法律に関する知識を紹介する乗務員(写真提供・中国鉄路哈爾浜局集団有限公司)。

出稼ぎ労働者に法律に関する知識を紹介する乗務員(写真提供・中国鉄路哈爾浜局集団有限公司)。

今年、綏化や斉斉哈爾、佳木斯(ジャムス)、哈爾浜市の周辺の出稼ぎ労働者4万人が田植えのために列車で三江平原に向かうと予想されている。哈爾浜局集団公司は列車を増発したり、車両を増やしたり、列車運行時間を延長したりして、こうした出稼ぎ労働者の移動のニーズを満たすことができるよう取り組んでいる。(編集KN)

「人民網日本語版」2024年5月8日

注目フォトニュース

関連記事