50年以上の歴史誇る「鈍行列車」に乗って1970年代にタイムスリップ
寧夏回族自治区の銀川と汝箕溝を結ぶ公益性を備えた鈍行列車7524/7525号に乗ると、黄河の水を灌漑に利用して農業が行われている肥沃な土地から、賀蘭山の山奥に行くことができる。1971年から今に至るまで50年以上運行されている同列車は、賀蘭山の生態保護や、工業・鉱業都市のモデル転換をずっと見守って来た。わずか11.5元(1元は約21.5円)の切符を購入して同列車に乗り、レトロな20世紀を感じる街に行けば、まるでタイムスリップしたかのような気分を味わうことができる。
4両編成の7524/7525号の運行距離は片道143キロ。乗客のほとんどは、銀川と石嘴山、大武口を往復する学生や通勤客、親戚を訪ねに行く地元の人だ。その中には当時、鉱区から移転した後、昔を懐かしむために訪れた定年退職者も少なくない。
毎年、清明節(先祖を祭る中国の伝統的な祭日)の頃から、国慶節(建国記念日、10月1日)に合わせた連休まで、この「鈍行列車」は大勢の旅客で賑わい、週末や祝祭日になると、大混雑となる。さらに毎週のように、校外学習を目的とした旅行や団体旅行の人々が訪れている。
車窓から見える長城(万里の長城)遺跡。
「鈍行列車」の車両をリニューアル
旅客輸送のクオリティアップに継続的に取り組んでいる中国鉄路蘭州局集団有限公司は今年3月、7524/7525号の車両をリニューアルし、それに合わせてソフトウェア・ハードウェア設備・施設もアップデート。乗車体験がさらに向上し、旅客の快適度が増した。
そして同線は車両をリニューアルした後も、各駅停車で運行されている。車内は冬は暖房が、夏はクーラーが効いており、常に清潔感あふれ、さらに整備された設備とサービスを沿線の人々に提供している。
1970年代にタイムスリップ
11.5元の切符を買って銀川から7524/7525号に乗り、大磴溝駅に行くと、そこから約5キロ離れた場所に石炭井工業観光タウンがある。あまり知られていないこの町では、1970年代にタイムスリップしたかのようなレトロな雰囲気を漂わせる街並みと建物を楽しむことができ、映画「緑皮小火車」や「我的父親焦裕禄」、ドラマ「山海情(Minning Town)」のロケ地としても使われた。2022年の大ヒット映画「万里帰途(Home Coming)」のシーンの多くも石炭井工業観光タウンで撮影されたという。
「宏光市場」や「国営理髪店」、「百貨大楼(デパート)」など、多種多様な飲食店や旅館、店舗がずらりと並び、20世紀の街並みが見事に再現されている。
そこに行くと、まるで1970年代にタイムスリップしたような、レトロ感あふれる写真や動画を撮影することができる。誰かと一緒に、この鈍行列車に乗って旅行に行き、じっくりとその雰囲気を味わってみるのはどうだろうか。(編集KN)
「人民網日本語版」2024年5月9日
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