オシャレなヨモギの飾りで端午の節句を祝う中国の若者

人民網日本語版 2024年05月30日15:46

端午節(端午の節句、今年は6月10日)を目前に控え、新スタイルのヨモギの飾りが今、中国で人気を集めている。中国では古くから端午節に厄を払い、福を呼ぶためにヨモギを玄関先に飾る習慣があり、今年は数元(1元は約21.6円)のヨモギの束にクラスペディアやショウブの葉などを添えるというのが人気で、フラワーデザイナーの手にかかると、数十元、ひいては百元以上のヨモギの飾りへと華麗なる変身を遂げている。こうした新スタイルのヨモギの飾りはネット上で検索のトレンド入りしているだけでなく、多くの若者が実際に購入している。

今年は新スタイルのヨモギの飾りが多くの花屋の「大ヒット商品」となっている。浙江省寧波市の道路・科技路のある花屋では、さまざまなタイプのヨモギの飾りが129元から149元ほどで販売されていた。

この店の店員は取材に対して、「予約がたくさん入っている。あるソーシャルメディアプラットフォームでも宣伝・販売しており、そのプラットフォームだけでもすでに3000セット売れた。どのタイプのヨモギの飾りにも、それぞれテーマがあり、ヨモギにショウブやクラスペディア、クスノキ、チカラシバ、カンガルーポー、さらに、飾り用の鈴や幸福・幸運を願う思いを込めたヒョウタン、匂い袋などと合わせて飾りを作っている」とした。

新スタイルのヨモギの飾りがこれほど人気を集めているのはなぜなのだろうか?

花の卸売業に携わる閆慶敬さんは、「このブームは若者の『セレモニー感消費』に対する重視が原因で起きている。フラワーデザイナーである私はここ数年、消費習慣の変化をしみじみと感じている」と話す。

そして、「端午節に、玄関にヨモギやショウブを飾るというのは伝統的な習慣で、今は美的センスが異なるだけで、若者は伝統的な習慣のランクをさらに上げ、優れた見た目のものを使って、ムードをさらに高めたいと考えている。卸売業者である私たちは、ヨモギやショウブ、クスノキなどを端午節用の基本セットとして、約20元で販売している。多くの花屋がこれらをベースにして、さらに多くの季節の花や端午節をテーマにした飾りなどを添えて、さまざまな消費の需要に対応している」とした。

こうしたヨモギの飾りは、表現スタイルこそとても斬新であるものの、伝統的な習慣も忘れていない。例えば、ヨモギの飾りを作る過程では、ヨモギの長さが、3本長く、2本短いというのは縁起が悪いとされるため避けて、できるだけ長さを揃えるようにすることや、「愛が折れる」と「ヨモギが折れる」という中国語の発音がよく似ているため、折ったヨモギは使わない、また偶数は中国では縁起が良いとされるため、その飾るヨモギの本数を偶数にするといった習慣だ。

新スタイルのヨモギの飾りが爆発的人気となっている背後には、端午節の習慣や文化を再び重視し、自分なりの美的センスやスタイルで、その伝統的な祝祭日に新たなセレモニー感を添えるようになっている若者の姿がある。(編集KN)

「人民網日本語版」2024年5月30日

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