中国で人気高まるアラブ諸国の旅行

人民網日本語版 2024年05月30日16:16

アラブ世界の説話集「千夜一夜物語(アラビアンナイト)」は、中国では「天方夜譚」というタイトルに訳されている。古代中国では、アラブ地域が「天方」と呼ばれていた。そして中国では今、アラブ諸国への旅行が人気となっており、以前はミステリアスだったアラブ世界が、中国人観光客にとって少しずつ身近な存在になっている。新華社が報じた。

キング・ハーリド国際空港に到着した北京とサウジアラビアの首都・リヤドを直接結ぶ1本目の中国国際航空の飛行機(5月6日撮影・王海州)。

キング・ハーリド国際空港に到着した北京とサウジアラビアの首都・リヤドを直接結ぶ1本目の中国国際航空の飛行機(5月6日撮影・王海州)。

4月中旬、中国大陸部とサウジアラビアを直接結ぶ定期国際便が初就航した。メーデー5連休を利用してサウジアラビアを旅行した福建省に住む男性・王さんは「砂漠のオアシスとして知られるアルウラに行って、エキゾチックな文化を見てみたいとずっとと思っていた。直行便が開通したので、もう迷うことはなくなった」と話す。

今年に入ってから、アラブ諸国を訪問する中国人観光客が大幅に増加している。旅行業に約10年携わっているエジプトのあるガイドは、「以前は、中国からの団体客が来るのは1年を通じて数回だった。でも、今年はほぼ毎月、中国からの団体客が来ている。冬休みや春節の大型連休は特に中国人観光客が多い」と話す。

ギザの大ピラミッド近くでラクダを操る男性(1月24日撮影・隋先凱)。

ギザの大ピラミッド近くでラクダを操る男性(1月24日撮影・隋先凱)。

携程研究院のアナリスト・方沢茜氏によると、エジプトやアラブ首長国連邦といったアラブ諸国の人的・文化的景勝地と観光ルートは中国人観光客の間で人気となっているほか、ドバイやアブダビ、カイロ、リヤドといった都市も人気の旅行先となっている。

ヨルダンのペトラ遺跡を観光する観光客(2023年1月20日撮影・冀沢)。

ヨルダンのペトラ遺跡を観光する観光客(2023年1月20日撮影・冀沢)。

中国とアラブ諸国の関係はますます深まり、その観光の分野の交流と協力も多大な成果を生んでいる。例えば、モロッコやアラブ首長国連邦、カタール、チュニジアなどは近年、中国人を対象に査証(ビザ)免除措置を実施している。また、「中国-アラブ諸国協力フォーラム2020-2022年行動・実行計画」は、中国とアラブ諸国は観光の分野の協力を引き続き開拓することを願っていると強調している。2022年に開催された第1回中国-アラブ諸国サミットで提起された中国とアラブ諸国の実務協力「8大共同行動」に含まれる文明対話共同行動では、文化・観光関連の企業500社の協力展開を促進し、関連人材1000人を育成するという目標を掲げている。中国・アラブ諸国文化・観光協力研究センターも2023年に発足し、中国とアラブ諸国の文化・観光の分野の交流と協力を踏み込んでメカニズム化し、常態化するよう働きかけることに力を入れている。(編集KN)

「人民網日本語版」2024年5月30日

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