大連の巨大なグリーン「モバイルバッテリー」の秘密に迫る

いかにして風力・太陽光エネルギーを貯蔵するかは、新型電力システム構築の最優先課題だ。遼寧省大連市には、世界最大の「全バナジウムレドックスフロー電池エネルギー貯蔵」生産拠点である大連レドックスフロー電池エネルギー貯蔵ピーク調整発電所がある。15日、記者は「質の高い発展の調査研究」テーマ取材イベントで、大連融科エネルギー貯蔵技術発展有限公司（大連融科）を訪れ、従来と一線を画すレドックスフロー電池の秘密に迫った。科技日報が伝えた。

「リチウム電池を新エネルギー界の短・中距離ランナーとすれば、全バナジウムレドックスフロー電池はマラソンランナーになる」。大連融科の王暁麗社長は取材に、「バナジウム電池は新型エネルギー貯蔵技術として、安全、長寿命、環境にやさしいという特徴を持ち、エネルギートランスフォーメーションに対して重要な意義を持つ。一般的なリチウムイオン電池と鉛蓄電池と比べ、全バナジウムレドックスフロー電池はより高い安全性とより長い使用寿命を持ち、カレンダー寿命は25年以上、循環回数は2万回に達し、－35度から＋50度の環境で安全かつ安定的に稼働する。一方で、大連レドックスフロー電池エネルギー貯蔵ピーク調整発電所は巨大なグリーン「モバイルバッテリー」として、都市電力網の安定性を保証できるだけでなく、異常災害で都市が停電に陥った場合に電力を提供し、都市のスピーディな復旧を保証することもできる」と説明した。

中国で最も早く全バナジウムレドックスフロー電池エネルギー貯蔵を手掛けた企業としての大連融科は、電気化学の基礎技術や電堆技術など一連の中核技術を次々と確立した。電力網のピーク調整、再生可能エネルギーの系統接続、スマートマイクログリッドなどの中国内外の市場分野で40件近くの全バナジウムレドックスフロー電池プロジェクトを実施した。累計で720MWh以上のバナジウム電池エネルギー貯蔵システムを稼働させ、バナジウム電池世界市場シェアの60％を占めている。大連融科の電解液材料の販売は世界市場の90％を占め、産業側で原材料からエネルギー貯蔵設備までの全産業チェーン開発・製造能力を形成した。（編集YF）

「人民網日本語版」2024年6月17日