中国科学院の研究チーム、火星で生存できる可能性がある苔を発見
人民網日本語版 2024年07月08日14:36
中国科学院新疆生態・地理研究所が5日に明らかにしたところによると、同研究所の研究チームは、シントリキア・カニネルビスという苔が、極限環境への適応能力が極めて高く、火星でも生存できる可能性があることを発見した。この研究成果はこのほど学術誌「創新(INNOVATION)」に掲載され、科学界の注目を集めた。中国新聞社が伝えた。
シントリキア・カニネルビスは砂漠で生育する苔で、新疆の古爾班通古特(グルバンテュンギュト)砂漠に集中的に分布している。この植物は非常に限られた水分を最大限に吸収・利用でき、そして重要な栄養素を留めるために、非常に過酷な条件下で「休眠」することもできる。
第3回新疆総合科学調査プロジェクトの支援を受け、同研究所の張道遠研究員と張元明研究員のチームは、シントリキア・カニネルビスに焦点を当てた科学実験を行った。その実験データは極限環境生命の「耐性」記録を更新した。
同研究所の博士課程在学中の白文婉氏は、「シントリキア・カニネルビスは自身の98%以上の細胞脱水、氷点下196℃の超低温急速冷凍、5000Gy以上のガンマ線照射に耐えられ、並外れた回復力を持つ」と説明した。
注目に値するのは、研究チームが火星を模擬的に再現した環境下で実験を行ったところ、シントリキア・カニネルビスがこの環境で生存でき、新しい株が生えてくることが分かった。白氏は、「これらの特性により、将来の火星での生態系構築の理想的な候補植物になる」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2024年7月8日
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