野球用品の生産が盛んな福建省連城県で盛り上がる野球交流
福建省西部の山中に、連城県という県がある。ここは客家(ハッカ)の最も初期の集散地であり、最大の居住地であることで知られている。
連城県では、野球が大きな産業となっており、「野球村」として知られようになり、福建省と台湾地区の野球とソフトボールの中心地として発展している。
2024年東森杯海峡両岸青少年野球招待試合の様子(撮影・葉秋雲)。
野球産業チェーンが形成されている連城県
他のスポーツと比べると、中国大陸部で野球は普及しておらず、依然としてニッチなスポーツだ。一方、台湾地区では人気を集めているスポーツの一つで、人々が最も誇りに感じているスポーツでもある。
2000年頃、台湾地区は労働者不足となり、多くの企業が野球産業の拠点を中国大陸部に移したのをきっかけに、中国大陸部でも野球を楽しむ人が日に日に増えるようになっていった。当時、労働者が多く、コストも安く、アクセスが便利な連城県が、台湾地区の企業に最も人気の移転先となった。
グローブを作る作業員たち(撮影・張斌)。
久和(竜岩)運動器材有限公司の工場では、作業員たちが、型紙どおりに革をカットし、縫うための穴を開け、革を縫い合わせて、野球のボールを作っていた。そこでは、60以上あるプロセスが流れ作業で行われており、ボールが1つ、また1つと作り上げられていた。また宏国運動用品有限公司の工場では、革を裁断し、紐を通し、梱包するなど、作業員が米国に輸出するグローブを急ピッチで生産していた。
2023年の時点で、連城県の台湾地区資本の野球用品メーカー4社の生産高は合わせて5億2000万元(1元は約20.6円)に達した。その商品は日本や韓国、欧米諸国などに輸出されている。廟前台商工業集中区は中国大陸部においてすでに最も盛んな野球用品生産拠点と世界のバイヤーの主な野球用品の仕入先となっている。
連城県は「野球村」に
整った野球産業チェーンがある連城県では、野球が人気のスポーツになりつつある。同県には現時点で、青少年野球チームが23チームあり、メンバーは500人以上。また、レベルの高い野球のコーチが45人おり、うち3人は台湾地区出身だ。また、両岸のスポーツ交流も盛んで、野球関連の各種試合やイベントが連城県で開催されるようになっている。
8月6日、連城県で開幕した2024年東森杯海峡両岸青少年野球招待試合・第5回海峡両岸青少年野球文化フェスティバル(写真提供・連城県融媒体センター)。
中国大陸部で野球とソフトボールが少しずつ普及するにつれて、福建省は近年、同省と台湾地区で野球とソフトボールを推進するプロジェクトを踏み込んで実施しており、福州や厦門(アモイ)を含む5市と平潭総合実験区が野球とソフトボールを広める動きを展開している。各学校のチーム約80チームや第一陣の福建省・台湾地区野球・ソフトボール交流テスト事業指定校10校が野球とソフトボールを展開し、市級福建省・台湾地区野球・ソフトボール発展センター10ヶ所が設置されている。
野球の試合でプレーする台東紅葉小学校の野球チームのメンバー(撮影・王東明)。
(編集KN)
「人民網日本語版」2024年8月15日
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