ふくよかな香り漂う四川省の「ジャスミンの里」はジャスミンを活用して300年!
中国の街中のあちこちにある花屋の多くはこの時期、ジャスミンの花束を並べて売っている。しかしこのふくよかな香りを漂わせるジャスミンの花が、四川省楽山市犍為県で栽培されていることはあまり知られていないかもしれない。
ジャスミンは陽性植物で、温暖で湿度の高い気候を好む。四川省南部にある楽山市犍為県は、岷江という川の下流に位置し、温暖湿潤気候に属するため、四季の変化がはっきりしていて、霜や雪が少なく、恵まれた自然条件がジャスミンの成長に特に適している。
犍為県のジャスミン栽培とその活用はなんと約300年近くの歴史がある。そして発展を経て、現在、ジャスミン茶が次第に同県の名産品となりつつある。同県のジャスミン栽培面積は、約5万7000ヘクタールで、その規模は中国西南エリアで最大、中国で2番目に大きい。また、茶畑も約1万7667ヘクタールで、西南エリアでは指折りの茶葉とジャスミンの2つの拠点がある地域となっている。
またジャスミンは犍為県の県花でもある。花が大きく、花びらが分厚く、純白で、含まれているエッセンシャルオイルも多いというのが、同県産の「アラビアンジャスミン」の独特の魅力だ。犍為県は、中国の「4大ジャスミン生産地」の一つで、その栽培規模は中国で2番目に大きい。そのため同県は「中国の茶の里」、「中国のジャスミンの里」、「中国のジャスミンの都」と称されている。
今年、生花の総生産量は2万5000トン、その生産高は10億元(1元は約20.7円)以上に達すると見込まれている。また、ジャスミン茶の加工量は1万7000トンで、その生産額は40億元以上に達すると見込まれている。
犍為県は2015年から、「ジャスミン文化・アートフェスティバル」の一連の文化観光イベントを毎年開催して、「四季カーニバル」というブランドを構築。ジャスミンミュージックフェスティバル、ミス・ジャスミンコンテスト、ジャスミングルメフェスティバルといった特色あるイベントが開催されている。
さらに総投資額376億元の世界ジャスミン温泉水鎮や世茉大道、「ジャスミン花開」商業総合体といった重大プロジェクト10件の建設が急ピッチで進められている。このように「フレグランス経済」を大々的に発展させることで、犍為県は現在、第1、2、3次産業をカバーするジャスミントータル産業チェーンを立ち上げるための取り組みを行っている。(編集KN)
「人民網日本語版」2024年9月3日
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