「登山付添人」が大人気 10月中旬まで予約でいっぱい

人民網日本語版 2024年09月19日15:43

中秋節(旧暦8月15日、今年は9月17日)連休と国慶節(建国記念日、10月1日)連休は、季節が爽やかな秋に当たり、登山が大勢の旅行客の旅行目的となっている。

メディアの報道によると、ネット上で「登山付添人」サービスを引き受ける人がたくさんいるという。複数の「登山付添人」によると、2つの連休が相次いだことから、注文数は増加傾向にあり、中には「特に9月中旬から10月中旬までは全ての予約が埋まっている」、「チームメンバー6人の平均月収は1万5000元(1元は約20.3円)」といった状況まで見られるという。

イタリア人観光客の付添人として泰山に登った孫さん。

イタリア人観光客の付添人として泰山に登った孫さん。

泰山に登ることは多くの人にとって大きな挑戦だ。泰山の主峰は標高1545メートルもあり、登山者の体力と忍耐力が試される。特に子ども連れの観光客や高齢者は、自分の力だけで頂上にたどり着くことは難しい。そんな中、体力と経験のある「登山の友」が、このような一部の観光客の現実的なニーズを満たしている。「登山付添人」の登場により、より良い登山体験ができるようになり、山に登ってはみたいが尻込みしていた多くの人に頂上までたどり着く自信と勇気を与えている。

「登山付添人」は登山中の「子どもの面倒を見る」、「重い荷物を持つ」、「気持ちを落ち着ける」といった問題を引き受けてくれ、泰山登山がまるで簡単なことのようになり、登山者は景色を眺めたり、写真を撮ったりする余裕が生まれる。「登山付添人」が提供するプロフェッショナルなルートプラン、経験・指導、情緒的価値も、登山ルートの効率を効果的に向上させ、ルートの魅力や登山中のコミュニケーションが増すことになる。

子どもの登山客に付き添って泰山に登った孫さん

子どもの登山客に付き添って泰山に登った孫さん

「登山付添人」は職業とは見なされないが、ニーズが増加したことで注目を集めている。兼業でこのサービスを提供する現役の大学生は300人を超え、1回あたりの料金は100元から300元の間。SNSでネットユーザーが発信する「登山付添人サービス体験攻略法」や「登山付添人経験シェアリング」などの投稿は、検索件数が増加の一途をたどっているという。こうした状況を見ると、「登山付添人サービスが大人気」や「月収1000元」という状況も容易に理解できる。

「登山付添人」をしている人の大半が現役の大学生で、それ以外は民泊施設のオーナーや登山愛好家などだ。自分の趣味や仕事を活かして小遣い稼ぎができるこの仕事は、サービスを提供する側にとっても豊かな人生経験になっている。登山客の中には、がんを患う子どものために願掛けで山頂を目指す81歳のおばあさん、負けず嫌いの60-70代の男性たち、中国文化を深く愛する外国人など、人の心を打つストーリーを持つ人が少なくない。「登山付添人」をしている大学2年生の孫さんは取材に答える中で、「300元の収入より、いろいろな人と一緒に過ごせることのほうがずっと重要。だから、これからも付添人を続けようと思う」と話した。

「登山付添人」サービスはつまるところ、市場ニーズがもたらした双方向の選択であり、本質的には信用経済でもある。現時点で考えなければならない問題としては、サービスの水準、料金をめぐるトラブル、責任の線引きなどがもたらす利益のリスクを契約によってどのように回避するか、この副業市場をよりよく規範化・管理し、大学生と観光客の権利・安全を保証するにはどうしたらよいかといった点が挙げられる。(編集KS)

「人民網日本語版」2024年9月19日

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