【2024年の国際情勢を振り返る】試練に直面した世界の安全保障ガバナンス

人民網日本語版 2024年12月24日16:22

2024年の国際安全保障情勢は、不安定で動揺し、複雑で厳しいものだった。地域紛争問題が次々に発生し、伝統的な安全保障上の脅威が持続的に頻発し、新興領域の安全保障上の試練が日増しに際立った。不断に深刻化する平和と安全保障上の問題を前に、「グローバル・サウス」諸国は団結して協力し、主体的に責任を負い、国際安全保障問題において欠かせない重要な勢力となってきた。(文:陳航輝。解放軍報掲載)

2024年を振り返ると、伝統的な安全保障上の脅威が増加の一途をたどった。ウクライナ危機、パレスチナとイスラエルの新たな衝突が長期化し、波及し、もともと脆弱であった世界の安全保障ガバナンス体制に大きな圧力がかかった。ウクライナ危機は3年目に突入し、紛争当事国がいずれも戦争疲弊期に入り、戦闘終結と和平交渉への意欲が高まった。その一方で、10月以降、戦場に新たな変化が現れ、ウクライナ軍が西側から供与された長距離兵器によるロシア国内の目標への攻撃を認められたことで、紛争がエスカレートする可能性が現実味を帯びてきた。また、パレスチナとイスラエルの新たな衝突はさらにエスカレートし、外部への波及が続いた。これと同時に、イスラエルでもレバノンのヒズボラ、イランとの間で衝突が絶えず、地域情勢の緊張が日増しに深刻化した。

また2024年は、新たな科学技術革命が急激に進展し、宇宙や人工知能(AI)が世界の安全保障ガバナンスの新たな領域となった。宇宙の商業的・軍事的価値が高まる中、宇宙安全保障の問題が浮き彫りになった。国際社会が懸念しているのは、一部の西側諸国が宇宙を「戦闘領域」と位置づけ、宇宙における軍事力を拡大し続けている点だ。

この1年間、混迷する国際安全保障情勢を前に、「グローバル・サウス」諸国は積極的に行動し、果敢に責任を負い、ダブルスタンダードに反対し、冷戦思考を拒否し、真の多国間主義を提唱し、世界の安全保障ガバナンス体制の改革を後押しし、発展途上国の代表権と発言権を高め、グローバルガバナンスの整備、世界平和の維持における重要な勢力となった。国際安全保障問題における「グローバル・サウス」諸国の関与度と寄与率が高まり続ける中、世界の安全保障ガバナンスは真の「サウスの時代」を迎えることになるだろう。(編集NA)

「人民網日本語版」2024年12月24日

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