【撮影者は語る】松本大樹氏「中国の人々の優しさや温かさが撮影の原動力」
中国国際航空公司日本支社と人民網日本株式会社が共同で主催する「心に映る中国」日本人がとらえた中国フォトコンテスト2024は3月18日からスタート。約3ヶ月間にわたる応募期間中、中国各地で撮影された作品が合わせて約1000点寄せられた。このコーナーでは、「撮影者は語る」と題し、撮影者に写真を撮影した過程で出会った事柄や中国の印象、感じたことなどを語ってもらった。今回は一等賞を受賞した松本大樹さんにインタビューした。
松本大樹さん
会社員。現在は駐在員として江蘇省蘇州市に在住。中国は二度目の赴任。
Q:受賞作品「納西族の踊り」について
「心に映る中国」日本人がとらえた中国フォトコンテスト2024で一等賞を受賞した松本大樹さん撮影の「納西族の踊り」。
当初は雲南省麗江の雪に覆われた玉竜雪山を借景に、納西族の力強い踊りを撮影したいと考えていました。
しかしながら、曇天と小雨で玉竜雪山が全く姿を見せてくれず、理想の構図を捉えるのが難しい状況で、時間は刻一刻と過ぎていくのみ…
ただ、踊りは本当に素晴らしく、その迫力と力強さを捉えられればと思い、形にした一枚です。当初想定していない構図ではありましたが、捉えた時は「あれ?想像以上に良い!」と思い夢中でシャッターを切りました。
Q:素晴らしい撮影作品とは?
「粘って試行錯誤しながら撮影した一枚」に尽きると思います。
私はカメラを始めて3年程度と年数は浅く、他の方々ほどカメラに詳しくありません。しかしながら、分からないからこそ、沢山撮影し、アングルを探すために動いたり、天気が好転するときを狙うなど、理想の撮影ができるまで粘っています。
その経験から、「偶然うまく撮影できた作品」より、不思議と「試行錯誤しながら撮影した作品」「理想ではなくても自分なりに粘って撮影した作品」の方が思い入れの強い、良い作品になる気がします。
Q:中国での撮影の過程で、印象深かったエピソードは?
本当に沢山あるので少しだけ…
まずは湖北省武漢市にて。
旧市街から黄鶴楼を撮影に行ったのですが、三脚を忘れてしまい、カメラを思い通りのアングルに決められず困っていたら、近くの車修理のお兄さんが店の脚立を貸してくれました。路地裏から見る黄鶴楼はとても格好よく、お気に入りの一枚です。
武漢市の旧市街から撮影した黄鶴楼(撮影·松本大樹)。
また江蘇省蘇州市では、街中で桜の撮影をしていた際に、隣で撮影していた大学生と仲良くなり、その後も定期的に食事や撮影に行く仲になりました。
紹介したのはほんの一例ですが、常に本当に中国の方々の優しさや温かさが撮影の原動力になっている気がします。
Q:「一度は絶対に行くべき」おすすめの中国の場所は?
① 内蒙古(内モンゴル)自治区
内蒙古(内モンゴル)自治区は、2008年夏に初めてこのエリアの希拉穆仁(シラムレン)草原を訪れて中国の広さを実感し、「広大」という言葉はこの為にあると心から実感できる場所です。日本では体験することのできない広さや雄大さを体験して頂きたいです。 当時知り合った遊牧民とは今も良い友人です。
② 四川省成都市
パンダや三国志、麻婆豆腐など、「日本人がイメージする中国」が揃う街です。初めて行く中国としては、一番おススメする場所でもあります。
成都市は私が普段から出張で訪れる街ですが、料理が非常に美味しく、人々も優しいです。昔ながらの屋台もあれば、現代の最新の中国の文化も混じる非常に興味深い街です。
併せて成都西北エリアも少数民族の村々が街を形成し、小規模ながら魅力的な街を形成しているので、ゆっくり回る事をお勧めします。
Q:中国での生活で感じていることは?
まだ学生だった2008年に、中国をバックパッカーで旅した事から、縁あって中国で仕事をする事になり、駐在員生活はトータル8年近くになります。その間に物凄いスピードで街は発展し、全てはスマートフォン1つで完了するなど、日常でも中国の発展を体感する日々です。ただ中国の人々の良い意味でのお人好しな所や優しさは、どこに行っても変わりません。これからも中国という国・人々と関わっていきたいと考えております。
上海郊外の水郷の街で食事やお茶を楽しむ人々(撮影·松本大樹)。
Q:今後の計画や目標は?
今まで出張や旅行を含めると、中国の22省45都市を訪問しました。今後は四川省西エリアの川西地区、雲南省、広西壮(チワン)族自治区を巡りたいです。国道318号線を上海から拉薩(ラサ)まで旅してみるのも興味があります。尽きる事が無い中国の魅力をとことん味わいたいなと考えています。
「人民網日本語版」2025年1月6日
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