中国、137のグリーン職業を認定

人民網日本語版 2025年03月19日13:49

電力消費の少ない深夜、安徽省六安市にある中国初のメガワット級水素エネルギー総合利用モデルステーションで、水素製造システムが稼働を開始した。作業服に着替え、安全ヘルメットを装着した夏鵬氏は設備の間を行き来しながら、各作業プロセスを入念にチェックした。運用・保守管理者としての夏氏は、このエネルギー貯蔵発電所の安全かつ安定的で効率的な稼働を保証する必要がある。人民日報海外版が伝えた。

「エネルギー貯蔵発電所は主にピークカット・ピークシフトの役割を果たしており、一種の大型モバイルバッテリーのようなものだ」。夏氏は、「水素エネルギー貯蔵モデルは夜間の非ピーク時の電力や余剰の新エネルギーを用いて大規模な水素製造を行い、電力を水素エネルギーに変換・貯蔵し、電力需要のピーク時に再び電力へと変換して供給するものだ」と説明した。同ステーションは「電力―水素―電力」の循環・変換を通じて、年間約1091トンの標準石炭、約1889トンの二酸化炭素排出を削減できる。

いわゆるエネルギー貯蔵発電所運用・保守管理者とは、工具や計測機器、検査装置を用いて、電気化学、圧縮空気、フライホイールなどのエネルギー貯蔵ユニットやシステムのデータ収集、状態監視、運用・保守、設備資料の管理を行う人のことだ。

「大型モバイルバッテリー」の維持管理者としての夏氏は毎日厳格な作業手順に従い、発電所の全面的な運転監視、巡回点検、安全管理を実施している。自動監視システムがあるものの、夏氏は深夜も1時間ごとに作業場の設備をチェックし、水素の純度や残留水量などのデータを記録する。朝になると、純水設備や整流装置の状態を確認し、新たな一日の電力供給に備える……。作業手順を熟知しているにもかかわらず、夏氏は初めて業務に携わったときと同じ慎重さと集中力を保ち続けている。

夏氏は、「新エネルギー技術の絶え間ない進歩に伴い、エネルギー貯蔵発電所の運用・保守は将来的に『デジタルツイン+AI診断』へと移行していく。我々運用・保守管理者は単なる設備の保守担当者だけでなく、エネルギー価値の再構築者にもなるだろう」と今後のキャリア展望に期待を寄せた。

炭素吸収量測定評価技術者、総合エネルギーサービス従事者、危険廃棄物処理技術者……中国の経済・社会の発展がグリーン化と低炭素化が加速する質の高い発展段階に入る中で、多くのグリーン職業が次々と誕生している。人的資源・社会保障部(省)が現在認定しているグリーン職業は137職種。うち「中華人民共和国職業分類大典(2022年版)」は134職種、2024年7月に発表された「生物工学技術者などの職業情報公開に関する通知」は3職種を認定している。

省エネルギー・排出削減から生態系修復へ、クリーンエネルギーから循環経済に至るまで、急成長を遂げるグリーン職業は多様な分野に及んでおり、中国の全面的なエコ文明の建設推進という経済・社会の発展の需要に合致するとともに、中国の新産業・新業態の持続的な発展と成長を生き生きと体現するものでもある。(編集YF)

「人民網日本語版」2025年3月19日

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