全面的農村振興に取り組む貴州省にある中国最大の侗族の集落「肇興侗寨」

人民網日本語版 2025年03月20日14:09

習近平総書記は今月17日午後、貴州省黔東南苗(ミャオ)族侗(トン)族自治州黎平県にある侗族の集落・肇興侗寨を訪問し、現地農村の全面的振興推進などの状況を視察した。

北宋時代に建設された肇興侗寨は、中国最大の侗族の集落の一つで、「侗郷第一寨」と称されている。1000年以上の間、侗族の人々は代々そこで暮らし、伝統を受け継ぎ続けている。

黎平県の肇興侗寨(撮影・楊代富)。

黎平県の肇興侗寨(撮影・楊代富)。

春も半ばに肇興侗寨を訪れると、伝統的な高床式建築「吊脚楼」がずらりと建ち並び、木造の伝統的な建物「鼓楼」が高くそびえたっていた。

肇興侗寨の菜の花畑で巣箱をチェックする養蜂家(撮影・楊文斌)。

肇興侗寨の菜の花畑で巣箱をチェックする養蜂家(撮影・楊文斌)。

中国には勤勉であれば、春は早くやって来るという言葉があるが、侗族の人々の間では、四季を通じて、農業を営む伝統が受け継がれ続けている。

5色に蒸したモチ米「五色糯米飯」で客をもてなす侗族の女性たち(撮影・楊代富)。

5色に蒸したモチ米「五色糯米飯」で客をもてなす侗族の女性たち(撮影・楊代富)。

肇興侗寨の村民は、もち米「香禾糯」を栽培するという伝統を守り続けており、新年や祝祭日を迎えるたびに、5色に蒸したモチ米「五彩糯米飯」や、モチモチした口当たりの甘い米粉で作った餅菓子「糍粑」を作っているほか、それらが次第に増収をもたらす特色ある産業になっている。

花を刺繍する侗族の女性たち(撮影・楊文斌)。

花を刺繍する侗族の女性たち(撮影・楊文斌)。

肇興侗寨では、赤ちゃんをおんぶしながら、「吊脚楼」やガジュマルの木の下で、刺繍する侗族の女性を目にすることができる。刺繍やろうけつ染めといった、1千年以上の歴史を誇る伝統技術が、村民が地元で収入を得ることができる産業となっている。

今では、肇興侗寨の伝統工芸企業は60社以上に達している。おしゃれで実用的な侗族の工芸品は中国全土で人気の商品となっているほか、世界に向けて輸出されるようになっている。

長いテーブルに料理を並べた宴会「長卓宴」で乾杯する侗族の女性たち(撮影・楊代富)。

長いテーブルに料理を並べた宴会「長卓宴」で乾杯する侗族の女性たち(撮影・楊代富)。

さまざまな料理が所狭しと並べた「長卓宴」では、侗族の人々の歌声が響き渡る。情熱的で、もてなしの精神にあふれた侗族の人々は多彩な民族文化で、客をもてなし、それは現地のアグリツーリズム発展を後押しする特色ある産業ともなっている。

侗族の新年を迎えるに当たり、年越し用品マーケットで地元の特産品を売る女性(撮影・楊文斌)。

侗族の新年を迎えるに当たり、年越し用品マーケットで地元の特産品を売る女性(撮影・楊文斌)。

肇興侗寨にはホテルや民泊施設、飲食店などが430軒以上あり、グルメや文化体験を提供して、村民2000人以上が収入を得ている。

肇興侗寨で盛大に行われる侗族の新年を祝うパレード(撮影・楊代富)。

肇興侗寨で盛大に行われる侗族の新年を祝うパレード(撮影・楊代富)。

伝統の農耕文化や民俗文化、伝統的な建築物など、侗族の人々の暮らしのシーン一つひとつが、中国最大の侗族の集落の全面的な振興の縮図と代名詞となっている。(編集KN)

「人民網日本語版」2025年3月20日

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