「3%」から見る中国のグリーン・低炭素モデルへの転換
今年の政府活動報告は、2024年の中国の「単位GDPエネルギー消費量は3%以上低減された」と指摘し、「単位GDPエネルギー消費量の約3%低減」を主要な発展目標に盛り込み、「グリーン・低炭素経済の発展加速」「カーボンピークアウト・カーボンニュートラルの積極的かつ着実な推進」などの措置を打ち出した。
これは何を意味するのか。目標はどのように達成されるのか。
単位GDPエネルギー消費量とは、一定期間内のエネルギー消費総量と国内総生産(GDP)の比率を指し、エネルギー消費レベルや省エネ・消費量削減の状況を示す主要な指標であり、通常、経済産業構造やエネルギー利用効率の変化を反映している。
中国は中国共産党第18回全国代表大会(第18回党大会)以来、年平均3.3%のエネルギー消費増加率で、年平均6.1%の経済成長を支えてきた。2023年の単位GDPエネルギー消費量は2012年比で26%以上低減され、「世界で最もエネルギー消費量を減少させた国の一つ」となった。これは、標準石炭換算で約14億トンの節約、二酸化炭素排出量約29億4000万トンの削減に相当する。
グリーン・低炭素・循環型発展は、現代の科学技術革命と産業変革の方向性だ。中国はグリーン・低炭素産業の発展に力を入れ、在来産業のグリーン・低炭素モデルへの転換を促進し、経済成長の新たな原動力と優位性を絶えず形成してきた。世界で最大かつ最も完全な新エネルギー産業チェーンを構築し、新エネルギー車の保有台数は世界の半数以上を占め、累計5億トンの粗鋼生産能力の全工程における超低排出改造を完了し、1億5000万トン以上の立ち後れた鉄鋼生産能力を淘汰した。
エネルギーのグリーン転換(グリーン・トランスフォーメーション、GX)を推進することで、エネルギー消費を著しく低減させ、グリーンな発展を促進することができる。中国は化石エネルギーのクリーンで効率的な利用を推進し、非化石エネルギーの発展に力を入れてきた。石炭の割合を2012年の68.5%から2024年には53.2%にまで下げ、天然ガス・水力・原子力・風力・太陽光発電などクリーンエネルギーの割合を14.5%から28.6%にまで高め、世界最大規模のクリーン発電システムを構築し、再生可能エネルギーの設備容量は石炭火力発電を史上初めて超えた。
設備技術装備のレベル、エネルギー利用技術のレベル、エネルギー生産・消費の管理レベルが高まるほど、消費エネルギー量を低減できる。資源需要大国である中国は包括的な省エネ戦略を実施し、循環型経済の発展に力を入れており、過去10年間で主要資源産出率を約60%高めた。特筆すべきは、大規模な設備更新や消費財の買い換え促進により、投資と消費を牽引しただけでなく、先進的な省エネ・高効率設備の普及と応用を効果的に促進し、社会全体のエネルギー消費量と炭素集約度を低減させたことだ。
今後一定期間において、中国のエネルギー需要は依然として増加傾向を維持するため、石炭中心のエネルギー構造を短期間で根本的に変えることは困難であり、従来のエネルギーを段階的に排除するには、新エネルギーの安全で信頼できる代替システムの確保を前提としなければならないことにも目を向ける必要がある。
エネルギーモデル転換の推進とダブルカーボン目標の達成は、広範かつ深い経済社会のシステミックな変革であるとともに長期的な戦略的課題でもあり、エネルギー安全保障の新戦略に基づき、安定を維持しながら前進し、粘り強く続ける必要がある。(編集NA)
「人民網日本語版」2025年3月20日
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