中国初の1万km衛星-地上間量子通信を実現

人民網日本語版 2025年03月21日16:53

中国科学技術大学の潘建偉氏、彭承志氏、廖勝凱氏らが済南量子技術研究院、中国科学院上海技術物理研究所、超小型衛星イノベーション研究院などの機関と共同で、世界で初めて量子ナノサットと小型の可搬型地上局との間でリアルタイムの量子鍵配送を実現したことが、同大学への取材で分かった。チームはこれをもとに、南アフリカのステレンボッシュ大学の科学研究チームと協力し、中国・南アフリカ間で1万2900キロメートル以上の距離を超えた量子鍵を構築し、画像データのワンタイムパッドの暗号化と伝送を実施した。中国青年報が伝えた。

同研究は実用的な衛星量子通信ネットワーク構築に向けてさらに道を開くものだ。研究成果は20日付で国際的学術誌「ネイチャー」にオンライン掲載された。

これに先立ち、中国科学技術大学が主導した量子科学実験衛星「墨子号」は、世界初の衛星-地上間量子鍵配送を実現した。しかし同衛星は地球全体を直接カバーできない上、コストが高いため、複数の低コスト量子ナノサットを打ち上げ、ネットワーク化することが急務となっている。

同研究において、量子ナノサットと複数の地上光学ステーションが光リンクを確立し、リアルタイムの衛星-地上間量子鍵配送実験を実現した。同成果は将来、複数のナノサットを打ち上げ、衛星コンステレーションを構築するための基礎を固め、大規模で実用的な量子通信ネットワークの構築に向けた重要な技術的支援を提供している。(編集YF)

「人民網日本語版」2025年3月21日

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