AIを使って「復活」した中国人の心をつかむ歴史上の人物たち

人民網日本語版 2025年04月03日10:23

中国のソーシャルメディアでは最近、「私の質問に、歴史上の人物に答えてもらう」というチャレンジが流行っている。AIアプリによる二次創作を経て、李白や杜甫、顔真卿、李時珍といった中国の有名な歴史上の人物が次々と「復活」し、やや大げさな表情や心を掴む言葉で、疑問に答え、現代の中国人たちの心をつかんでいる。中国新聞網が伝えた。

北宋の政治家、文人・蘇軾が「役人は非難されてばかり」とため息をつき、明代の医師・李時珍が、オンラインで健康やライフスタイルに関する質問に答え、唐代の詩人・李白が、「酒に酔っぱらって狂ったように歌うだけの人」という非難に対し、カメラ目線で反論したりと、厳かなイメージの歴史上の人物、単調でややとっつきにくい文化や知識が、一瞬でユーモラスで、親しみやすいものに変わり、人々の頭にだけでなく、心にまで入り込むようになっている。

3月12日、蘇州博物館が打ち出した「私に答えて!唐伯虎バージョン」。4月1日時点で、この動画に寄せられた「いいね!」は延べ10万7000回 (画像は蘇州博物館が公開している動画のスクリーンショット)。

3月12日、蘇州博物館が打ち出した「私に答えて!唐伯虎バージョン」。4月1日時点で、この動画に寄せられた「いいね!」は延べ10万7000回 (画像は蘇州博物館が公開している動画のスクリーンショット)。

AIを使って復活させた歴史上の人物は、学校の授業でも採用され始めている。山東省済南市の莱蕪区花園学校文昌キャンパスの国語教師・王聡さんは取材に対して、「一年生の児童に、李白の漢詩『静夜思』を暗記してもらう時、AIで生成した李白のバーチャルキャラクターを使っている。児童がキャラクターと対話することで、詩の世界に入り込んだような気分に浸ることができる。このように楽しみながら勉強ができるスタイルは、歴史上の人物との距離が縮まると、低学年の児童に好評だ」と話す。

AIで生成した李白のバーチャルキャラクターを使って授業を行う王聡先生(写真提供・取材対応者)。

AIで生成した李白のバーチャルキャラクターを使って授業を行う王聡先生(写真提供・取材対応者)。

山東師範大学文学院でドクターコースの指導教官を務める李輝教授は、「AIを使って、歴史上の人物を復活させることで、インパクトがもたらされるのは、新しい技術に対する驚きだけでなく、現代の人々が歴史を肌で感じ、文化の奥深さを知ることができるためでもある。多くの人が心の奥底から共感を覚えることができている」との見方を示す。

そして、「AIは現在、教育を『再編』し、学習が標準化から、カスタマイズへ、『受動型』から『能動的模索』へと変わっている。学生は知識を記憶しやすくなっているほか、歴史に興味を持ち、じっくり考えることができるようになっている」と話す。

技術が進歩すると、懸念も生じている。例えば、「AIが生成する歴史上の人物のイメージやストーリーは、真実と一致しているのだろうか?インターネットサーフィン型のスタイルになり、奥深さのない娯楽になってしまうことはないのだろうか?」といった懸念だ。

これに対して李教授は、「技術が文化に益を及ぼすようにしなければならず、文化が技術の付属品になってはならない。AIを使って、歴史上の人物を復活させる最大の意義は、より奥深い文化や思想、精神を伝えることにある。新技術は、文化伝播のツールとなるものの、主導する側になってはならない。新技術によって作り出されるもののコアは、シリアスな学術研究をベースとしなければならない。でなければ、一発屋の娯楽となってしまう」とした。(編集KN)

「人民網日本語版」2025年4月3日

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