中国の竹製スケートボードが世界に向けて「滑り出す」

人民網日本語版 2025年04月09日08:52

湖南省長沙市にある湖南省豊源体育科技有限公司を訪れると、さまざまなタイプのスケートボードが目に飛び込んできた。その中でもひときわ目を引いたのが、竹製のスケートボードだ。同社の生産責任者の幸忠亮さんは、「これは当社の特徴的な製品で、市場での人気が高い」と話す。

どうして竹を使ってスケートボードを作ったのだろうか。王青雲社長の説明によると、以前はカエデを使っていたが、原材料価格の継続的な高騰に伴い、利益率が徐々に圧迫されていた。そこで中南大学などの大学と共同開発チームを発足させ、転換策を模索した。カエデの代わりになるのは何かと考え、地元で豊富に産出される孟宗竹に目を付けたという。

同省邵陽市綏寧県は竹資源が豊富で「竹の里」と呼ばれ、約5万3000ヘクタールに及ぶ孟宗竹の竹林がある。地元では竹は多くの日用品に使用されており、竹と関係があるスポーツもたくさんある。苗(ミャオ)族の伝統的な祭り「四月八」では、竹竿を使ったダンスが特に有名だ。

チームは比較実験を行い、孟宗竹は繊維の密度が高く、曲げ強度にも優れ、採取が容易で、環境にも優しく、スケートボードの理想的な素材であることがわかった。「竹材による代替」の方針が確定すると、チームは技術の改良を急ピッチで進め、ボードが割れる、ひびが入る、接着剤がはがれるといった技術的難題を次々に解決し、最終的に竹だけを使ったスケートボードの大量生産を実現した。市場からの反応は上々で、同チームはさらに引張強度に優れるグラスファイバーやカーボンファイバーなどの新素材を竹製スケートボードに取り入れ、次々に新製品を打ち出した。

王社長は、「当社の生産するスケートボードがスケートボード女子中国代表チームと一緒にパリ五輪の競技会場に登場したことを、非常に誇りに思う。今では竹製スケートボードの年間販売数は約30万枚に上り、中国各地で販売されるだけでなく、タイ、フランス、マレーシアなど20数ヶ国・地域でも販売され、『メイド・イン・チャイナの竹製スケートボード』は今、まさに世界に向けて『滑り出し』ている」と語った。(編集KS)

「人民網日本語版」2025年4月9日

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