中国人民銀、マクロ経済調整の強化に向けた10の政策措置を発表

人民網日本語版 2025年05月07日16:02

中国人民銀行(中央銀行)の潘功勝総裁は7日、国務院新聞弁公室で行われた記者会見で、「中国人民銀行はマクロ経済調整を強化し、10項目の政策措置を発表することで、さらに適度に緩和的な金融政策を着実に実施し、経済の質の高い発展を推進する」と述べた。新華社が伝えた。

潘総裁は、一括した金融政策措置として次の10項目を挙げた。

(1)預金準備率を0.5ポイント引き下げる。市場に長期流動性約1兆元(1元は約19.8円)を供給する見込みだ。

(2)準備預金制度を整備し、自動車金融企業、金融リース企業の預金準備率を、現在の5%から0%へと段階的に引き下げる。

(3)政策金利を0.1ポイント引き下げ、つまり公開市場操作(オペ)で7日物リバースレポ金利を現在の1.5%から1.4%に引き下げる。最優遇貸出金利のローンプライムレート(LPR)も同時に約0.1ポイント低下すると予想される。

(4)構造的金融政策ツールの金利を0.25ポイント引き下げ、これには各種の特定構造的ツールの金利、農業支援・小企業支援の再貸出金利が含まれ、いずれも現在の1.75%から1.5%に引き下げる。また担保付き補完貸出(PSL)の金利を現在の2.25%から2%に引き下げることも含まれる。

(5)個人住宅積立金貸出金利を0.25ポイント引き下げ、5年以上のローンで初めて住宅を購入する場合の金利をこれまでの2.85%から2.6%に引き下げ、その他の機関のローンの金利も同時に調整。

(6)科学技術イノベーションと技術改良への再貸出枠を3000億元増やし、現在の5000億元から8000億元に拡大し、「両新」(設備更新と消費財買い換え)政策の実施を引き続き支援する。

(7)サービス消費と介護への再貸出枠5000億元を設定して、商業銀行がサービス消費と高齢者ケアへの融資支援を拡大するよう誘導する。

(8)農業・小規模企業支援の再貸出枠を3000億元増やし、関連ツールの金利引き下げ政策と相乗効果を生み出し、銀行が農業、小規模・零細企業、民間企業への貸出投入を拡大するよう支援する。

(9)資本市場を支援するための2つの金融政策ツールを最適化し、証券会社・ファンド会社・保険会社のスワップファシリティ(SFISF)5000億元、および自社株買いと株式買い増しへの再貸出枠3000億元を統合して使用し、総額を8000億元とする。

(10)科学技術イノベーション債券のリスク分担ツールを創設する。人民銀行が低コストの再貸出資金を提供し、科学技術イノベーション債券を購入するとともに、地方政府、市場化された信用補完機関などと協力し、共同担保などの多様化した信用補完措置を通じて、債券の違約損失の一部リスクを分担。テクノロジーイノベーション企業と株式投資機関のために低コスト・長期間の科学技術イノベーション債券を発行して融資支援を提供する。

潘総裁は、「今後も、中国人民銀行は引き続いて適度に緩和的な金融政策を着実に実施し、中国内外の経済金融情勢と金融市場の動向に基づいて、金融政策の調整コントロールを持続的に着実に行うとともに、財政政策との協働連携を強化し、経済の質の高い発展を推進する」と述べた。(編集KS)

「人民網日本語版」2025年5月7日

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