雲南省大理の民宿デザイナー・李安軍さん「足休めの場所」を「心の帰る場所」へ
蒼山と洱海を望む雲南省大理白(ペー)族自治州の双廊古鎮には絵画のような風景が広がっている。風に揺れるジャカランダの木の下では、観光客たちが三々五々、写真を撮っている。人民日報が伝えた。
双廊古鎮のある民宿の休憩スペースで、李安軍さんは、「この暖炉は大理の伝統的な青煉瓦や赤煉瓦を使ってデザインできる。地元の要素を取り入れることで、伝統的な趣を残しつつ、宿泊客により多くの美的体験を提供できる」と民宿のオーナーとデザイン案について意見を交わしていた。
民宿のデザイン案を修正する李安軍さん(写真右、取材対象者提供)。
10数年前、建築士の李安軍さんは北京から大理に移り住み、民宿のデザイナー兼経営者となった。この民宿は、李さんが双廊古鎮で最初に設計したものだ。今回の改装では、建物自体に大きな手は加えず、共用スペースの拡張に重点を置く考えだ。李さんは、「民宿での体験や快適性に対する観光客の要求は年々高まっており、それに応じた変化を加え、『足休めの場所』を『心の帰る場所』へと変える必要がある」とする。
近年、大理では文化観光産業が急速に発展している。観光客は双廊古鎮や大理古城といった人気観光地だけでなく、周辺の村落にも足を運ぶようになり、多くの村がインフルエンサーにとって「SNS映えスポット」となっている。「人々は大理に、ゆったりとした生活や美しい田園風景の体験をより求めている。観光客が増えるにつれ、農村部の民宿デザイン需要もますます高まっている」と李さんは語る。
最近、李さんは地元の手工芸工房を回り、竹細工や木彫、様々な素焼き製品などを集めるのに忙しい。地方の記憶を宿すこうした小さな品々は、李さんにとってデザインのインスピレーションの源泉となっている。
そして李さんは、「民宿は従来のホテルとは異なる、スタンダードではない宿泊形態であり、個性とスタイルが際立っていればいるほど、画一的競争を避けるうえで有利となる。大きなものではプランニングやレイアウト、環境景観、小さなものでは内装、さらには小物の配置に至るまで、どれも細部にこだわることではじめて、観光客の多様で個性的なニーズにより良く応えることができる」とする。
古城でアフタヌーンティーを楽しみ、蒼山でハイキングをし、洱海のほとりで写真を撮り、藍染め体験を楽しむ。こうした様々な楽しみ方が、観光客の大理での旅を活気あるものにしている。今月初旬の労働節(メーデー、5月1日)連休中に大理を訪れた国内外の観光客は前年同期比39.37%増の延べ369万7700人となり、観光による総消費額は前年同期比42.65%増の44億5500万億元(1元は約20.3円)に達した。(編集NA)
「人民網日本語版」2025年5月15日
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