上海・張園の「華厳里」が7日に元の位置へ 7500トンの建築群を移動した方法とは?
7日に元の位置に戻される総重量7500トンの石庫門建築群「華厳里」(写真提供・静安区新聞弁公室)。
上海市静安区によると、中国で最大規模となる中洋折衷型の伝統的建築様式 「石庫門」建築群「張園」の「華厳里」が今月7日に元の位置に戻されるという。
140年以上の歴史を誇る「張園」は、上海に残る最大規模で、保存状態が最も良く、種類が最も多い「石庫門」建築群で、歴史的な建築物や文化財として保護対象となっている建築物がたくさんあり、著名人の住居も少なくない。1920-30年代に建築された「華厳里」は、「立貼式」と呼ばれる工法を採用したレンガと木材で作られた建築物3棟からなり、総建築面積4030平方メートル、総重量は約7500トンに達する。そして上海で最大規模の「石庫門」建築群を活用するプロジェクトの対象となっていた。「華厳里」を元の位置に戻す工事は、5月19日から始まり、クモ型の小型移動ロボット432台を使って、1日平均10メートルのペースで移動していた。
移動する石庫門建築群
「華厳里」が元の位置に戻されると、「張園」の地下3階分の空間を開発する工事が本格的に始まることになっている。
「張園」のリニューアル工事は、「保護を優先し、文化をスピリッツとし、人を中心に」を原則に実施されている。上海建工二建集団は、「張園」の115-03、06、10の3ヶ所の工事を担当しており、そのうち、歴史ある建築物が最も多く、最も密集しているのは中央の115-06エリアとなっている。工事に必要なスペースがほとんどなく、地下スペースを追加したり、地下スペースを開発したりするのに必要なスペースもない。そのため、海建工二建集団は地下空間を先に建設する「逆作法」施工のメリットを活用して、まず地下空間を開発し、非常に限りあるスペース内で、「張園」の一部の建築物に対して、建物をジャッキで一時的に持ち上げ、新しい基礎を構築した後で、元の位置に降ろす「頂昇托換」技術を採用し、元の位置で保護を続けることを決定。そして他の建築物に対しては、南区、及び元の位置のスペースを利用して、まとめて移動する方法を採用し、一時的に工事のスペースを作り出した。その後、地面の補強工事を行い、それが終わり次第、元の位置に戻して、「逆作法」を採用して、中央の5万3000平方メートルの地下の文化・商業スペースを開発する。100台以上分の駐車スペースも設けられる予定で、歴史ある建築物が有効に活用されることになっている。また、中央スペースには、鉄道交通2、12、13号線に乗り換えることができる、地下連絡スペースも設置される計画で、地下鉄・南京西路駅の乗り換えをめぐる難題を解決し、駅構内で乗り換えができるようにするという目標が達成されると期待されている。(編集KN)
地下スペースの完成予想図。
「人民網日本語版」2025年6月5日
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