生まれ故郷に戻り、「撮影旅行プランナー」として働く若者
素敵な瞬間を写真に残し、旅行の思い出を作ることができるのが「撮影旅行」だ。そして、旅行者のために、旅行ルートを企画し、衣装やメイクを手配し、要望などを聞き、カメラにその素敵な瞬間を収めるのが、撮影旅行プランナーの仕事となる。四川省綿陽市北川羌(チャン)族自治県には、アイデアや専門知識を活用し、旅行者の特別な思い出づくりをサポートする若者たちがいる。中央テレビニュースが伝えた。
同自治県の「壹也撮影旅行スタジオ」の撮影旅行プランナー・魏昆明さんが率いる撮影旅行チームは早朝から、忙しく立ち働いていた。その日は、女性2人から、「大学を卒業したばかりで、羌族の文化を没入型で体験する撮影旅行がしたい。近未来的な要素も加えてほしい」という要望が届いていた。
同自治区の観光スポットを熟知している魏さんは、すぐにチームのメンバーを集め、ルートやスケジュールといった詳細を話し合って決定。メンバーはすぐに自分に割り当てられた仕事を始めた。衣装のコーディネートを担当するのは陳昌敏さん、メイクを担当するのは楊柳柳さん、撮影を担当するのは張晋彪さん、そしてポストプロダクションを担当するのは王金豪さんだ。
予定の時間に、旅行客2人が到着すると、陳さんの案内の下、まず衣装選びがスタート。若い女性2人組であることを考慮し、陳さんが勧めたのは改良バージョンの羌族の伝統衣装だ。伝統的な模様などを使いつつも、その色ともマッチしたウエストの細さを強調するデザインの衣装は、ゆったりとしていながら、とても個性的だ。
衣装選びが終わると、女性2人は、すぐに着替えて、ドレッサーの前に座った。その後、メイクアップアーティストが巧みな腕を見せ、メイクアップを終えると、2人は美しくなった姿で撮影旅行を始めた。
撮影旅行プランナーの張晋彪さんは、カメラマンとして、指示を出しながら、次々とシャッターを押していた。張さんは、「羌族の衣装を着た撮影旅行は難度が高い。生き生きとした瞬間を確実に捉えなければならないほか、遊び仲間のように、客の気分を盛り上げる必要もある。羌族の伝統衣装は派手な装飾はないため、構図のセンスが問われる。そのシンプルな衣装に込められた美しさを引き出し、民族文化が生き生きと表現された瞬間を捉えなければならない」と語る。
魏さんは、「撮影旅行は、『人、感情、文化を写真に込める』というのがコンセプト。撮影をしながら羌族の文化を紹介する踏み込んだ体験を提供している。衣装、メイク、撮影、ポストプロダクションに至るまで、こだわりを持って提供している」としている。
魏さんによると、以前はほかの地域で、ショートフィルムや宣伝動画の撮影に携わっていた。しかし、北川羌(チャン)族自治県に帰省した時、羌族の文化資源は豊富で、自然の景色も美しいにもかかわらず、独特な視点から、それをPRしている人はほとんどいないことに気づき、地元に戻り、撮影旅行のスタジオを立ち上げることを思いついたという。
魏さんは2023年に、同じ志を抱く若者数人を引き連れて、同自治県に戻り、撮影旅行スタジオを設立し、起業した。初めの頃は、街中で観光客を見つけて、写真を撮影し、羌族の碉楼(石造楼閣)や銀の装飾品などを紹介していたという。そして、リピーターが少しずつ増え、その写真を見て、羌族の文化を愛するようになる人もどんどん増えていったという。(編集KN)
「人民網日本語版」2025年7月9日
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