「SF」世界を現実にするスマートグラス、中国で人気に
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人工知能(AI)技術の急速な発展を背景に、よりはっきりと見えるだけでなく、音楽再生や電話発着信、写真・動画撮影などの機能が搭載されたスマートグラスが、「SF」世界を現実にしようとしている。中国の小米(シャオミ)や華為(ファーウェイ)といったメーカーが最近、スマートグラスを続々と発売し、消費者の注目を集めている。
現時点で、「スマートグラス」には統一された定義はなく、市場でよく見られるスマートグラスには3つのタイプがある。1つ目は、AIオーディオグラスで、音楽再生や音声アシスタント、電話発着信といった、音声関連の機能に特化している。2つ目は、AR(拡張現実)ディスプレイグラスで、写真・動画撮影ができるなど、ビジュアル面でワンランク上の機能が搭載されている。一部のメーカーは、デュアルディスプレイや3D表示ナビゲーション対応のスマートグラスを打ち出している。3つ目は、高齢者向けのAIグラスで、環境音認識、ファミリー共有といった機能が搭載されている。
こうしたスマートグラスに対し、強い関心を示す人が増えている。例えば、内蒙古(内モンゴル)自治区呼和浩特(フフホト)市で仕事をしている女性・張さんは、「私は強度の近視。このようなテクノロジー感あふれる新商品は喜んで購入する。これを使えば、両手がある程度自由に使えるようになる」と話す。また、北京市に住む女性・楊さんも、「翻訳機能が確かに十分なレベルに達していれば、海外旅行も便利になるし、購入を考える」とする。
ただ、既に発売されているスマートグラスについては、取材では多くの消費者がさらなるアップデートを期待していた。レビュー専門のブロガー・小麦さんは、「スマートグラスはまだ『初期の模索段階』にあり、革新的な注目ポイントがあるものの、バッテリー持続時間や快適性、価格、他のデバイスとの互換性といった重要な課題がまだ解決されていない。現時点では、テクノロジーが好きな人が新鮮味を求めて購入する段階で、一般消費者の必需品にはなっていない」と指摘する。
スマートグラス普及に大きく影響する要素の一つは「価格」だ。現時点で、販売されているほとんどのスマートグラスの価格は1600-2000元(1元は約20.6円)となっている。
中国工業・情報化部(省)情報通信経済専門家委員会の盤和林委員は、「スマートグラスは、スマートウェアラブルデバイスの一つ。現時点で、販売されているほとんどのAIグラスは価格が高く、機能にも限りがあり、バッテリー持続時間が短いため、1日中装着することはできない。ただ、眼鏡をかける層が極めて多いことを考えると、スマートデバイス普及にとって良い切り口であることは明らかだ。今後、機能が充実し、価格が下がり、他のデバイスとの互換性が高まれば、スマートグラスがスマホの一部機能に取って代わるようになり、スマホやスマートホームとシームレスに接続して、本当の意味で人々の生活に溶け込むようになる可能性は非常に大きい。総じて言えば、消費者は『テクノロジー感あふれる玩具』がほしいだけでなく、本当の意味で実用的なアイテムを期待している」と分析する。(編集KN)
「人民網日本語版」2025年7月25日
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