抗日戦争の写真を中国に寄贈したフランス人「この歴史を忘れてはならない」
在仏中国大使館は現地時間8月4日午後、フランス人のマルクス・デトレーズ氏から中国に寄贈された抗日戦争当時の写真の引渡式を行った。在仏中国大使館の陳棟公使からデトレーズ氏に対し、上海淞滬抗戦紀念館からの寄贈証書や感謝状などの文書が手渡された。感謝状には、「これらの写真は、1930-40年代に中国人民が日本の侵略者に痛めつけられた残酷な場面をありのままに記録し、さらに日本の中国侵略戦争の歴史的真相を明らかにした」と記されていた。
デトレーズ氏は引渡式の際、「これらの写真は私たち家族のものであるだけでなく、重い歴史の証人でもある。この歴史を忘れてはならない」と語った。
デトレーズ氏は今年2月、祖父のロジェ・ピエール・ローレンス氏が生前所蔵していた写真618枚を上海淞滬抗戦紀念館に無償で寄贈した。ローレンス氏は1914年にフランスのトゥールーズで生まれ、1930年代に上海に渡り、フランス租界で働いていた。2021年、デトレーズ氏は偶然これらの写真を発見した。鑑定によると、これらの古い写真はいずれもゼラチンシルバープリント方式による白黒印画紙で、1930-50年代に現像された。写真の内容には、淞滬会戦(第二次上海事変)前の上海の人々の暮らしを撮影したものもあれば、戦争勃発後の悲惨な光景や日本軍の暴行を撮影したものもある。
デトレーズ氏は、「これらの写真を中国に寄贈することで、より多くの人が真実の歴史を知ることができる。祖父は当時、上海で多くの苦難を経験し、苦労して写真をフランスに持ち帰り、完全な状態で保存してきた。この歴史がずっと放置され、世間に知られないことは望んでいなかった」と述べた。
今年に入ってから、デトレーズ氏は友人と共に北京市や上海市、山東省などの抗戦記念館を訪れ、中国の抗戦の歴史について理解を深めた。デトレーズ氏は、「こうした施設を訪問したことで、私たちはこの歴史をより系統的に理解することができた。この歴史について語るのは、よりよく記憶しておくためだ。これらの写真を寄贈することで、西側のより多くの人々、特に若者に当時の歴史を知ってほしい」とした。(編集AK)
「人民網日本語版」2025年8月8日
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