日本で活躍する中国製ロボット

人民網日本語版 2025年08月19日16:12

写真提供・「KEENON Robotics」

写真提供・「KEENON Robotics」

青森県八戸市のある焼肉店は、正午になると、客で賑わいを見せており、店内には食欲をそそる焼肉の香りが漂っている。そして配膳ロボットが店内の狭い通路を安定して走行し、料理を客の席まで配膳していた。店長は「ロボットは丁寧に運んでくれるし、清潔で安全」と手放しで絶賛する。

中国の「KEENON Robotics(キーンオンロボティクス)」 製のこの配膳ロボットは現在、焼肉店に欠かせない「スタッフ」になっている。人件費が高止まりし、高齢化も深刻であるため、サービスロボットを導入して、人手不足に対応する日本のホテルやレストランが増えている。

キーンオンロボティクスは5年前から、海外市場に進出した。当時は、先進技術のストックを武器に「一稼ぎできる」と見られていものの、意外なことに、日本の提携先からは、「売れ行きが良くない」という反応が返ってきた。

問題はどこにあるのだろうか?同社のチームは、その原因を突き止めるために、東京の街中を奔走した。そして、調査と研究の結果、現地のサービスのテンポは遅く、ロボットには親しみやすい外観が求められていることが分かった。その背景には、異なる文化の審美眼の差が存在していたのだ。

そして最も直接的な問題になっていたのは、大きすぎるサイズだった。中国では人気を集めていた大型のロボットだったが、日本においては小回りが利かず、移動することすら困難だった。

キーンオンロボティクスの創業者である李通氏は、「中国でよく売れていた複数のモデルは、日本では全くと言っていいほど使うことができないロボットだったのだ」と話す。そこで開発チームは、日本向けに小型で小回りが利き、日本語音声対応が可能で、画面の表情が変化するアニメーション機能を搭載したモデルをゼロから開発した。

新しいモデルのロボットは、最小で幅49センチの通路まで通過することができ、ロボットの背中部分には2層、または3層のパレットをデザイン。さらに、複数のカメラやセンサーを搭載し、混雑時の突発的な状況への対応を可能にしている。

キーンオンロボティクスはこれまでに、日本国内に200ヶ所以上の技術サポート拠点を設置し、故障時には2時間以内の初動対応と24時間以内の復旧を可能にしている。

李氏は「日本では人件費が高いのに対して、ロボットは人件費の3分の1で導入できる。しかも、年中無休で、効率も安定している」と語る。

中国のロボットの輸出規模は拡大の一途をたどっている。日本では大手飲食チェーンや図書館、ホテルなどでキーンオンロボティクスの製品の導入が進み、その姿を見ることができるようになっている。

こうしたサービスロボットのほか、中国製の物流ロボットも日本で人気となっている。日本帝京大学の露口洋介教授は、「中国のロボット産業は、規模の競争から技術、品質、ブランドの競争へとシフトしており、ロボット業界の発展と拡大は、中国の製造業の華麗なる変身の象徴だ」との見方を示している。

今年の第6回日本関西物流展において、浙江省湖州市の牧星ロボット(浙江)有限公司が注目を集めた。同社の提供するピッキングシステムやGTP(Goods to person)ソリューションは、東芝や三菱といった企業のブースでも展示されていた。それより前にも、同社が開発した物流ロボットやソフトウェア・システムは、関東地方の多くの医薬品業界の倉庫で導入され、現地の医薬品の分野において高まり続けている物流ニーズに対応している。その他、同社が日本のある有名な自動車メーカーのために設計した新型コンテナ搬送・ピッキングロボットは、熾烈な競争を勝ち抜いて、クライアントから高く評価されるようになっている。

牧星ロボットは、物流ロボットや設備の研究開発と生産に尽力している企業で、その製品の7割以上は先進国に輸出されている。牧星ハードウェア技術センターの何梓傑総監は、「注文は9月までいっぱいだ。上半期の売上高は過去最高を記録し、前年同期比で約3割増となった。海外の物流自動化プロジェクトにおいて、当社の製品の存在感が増している」とした。(編集KN)

「人民網日本語版」2025年8月19日

注目フォトニュース

関連記事