再び輝きを放ちつつある庫車の巨大ナン 新疆

人民網日本語版 2025年09月15日13:44

新疆維吾爾(ウイグル)自治区には、「3日間肉がなくても大丈夫だが、1日でもナンがない日は耐えられない」という諺があるように、新疆の各民族の人々にとって、ナンは決して欠かせない存在だ。新疆には200種類以上のナンがあるが、その中でも「ナンの王様」と言われているのが庫車(クチャ)の巨大ナンだ。このナンの直径は平均で50センチ以上、車輪のように大きく、ナンを焼く窯の窯口と内壁のサイズは一般的な窯よりも大きく、作り手の技術がより試される。新華網が伝えた。

新疆庫車市で自作のナンを見せる熱西堤さん(7月21日撮影・王婧嬙)。

新疆庫車市で自作のナンを見せる熱西堤さん(7月21日撮影・王婧嬙)。

今年65歳の熱西堤・依米提さんは、伝統的な麺食製作技術(ナン製作技術)の国家級無形文化遺産の代表的伝承者。18歳の時から父親からナンの焼き方を学び、代々受け継がれてきた秘伝の技を、現在は息子に伝えている。彼のナン店には、地元の住民だけでなく、その評判を聞きつけた大勢の観光客が、全国各地から訪れている。熱西堤さんと息子、そして弟子が作る1~2千枚の庫車巨大ナンは、毎日完売するほどだ。

ナンの生地に香辛料をトッピングする様子(7月22日撮影・王菲)。

ナンの生地に香辛料をトッピングする様子(7月22日撮影・王菲)。

新疆庫車市のナン店でナンを焼く熱西堤さん(7月22日撮影・王菲)。

新疆庫車市のナン店でナンを焼く熱西堤さん(7月22日撮影・王菲)。

新疆庫車市で、焼き上がったナンを店先に運び、販売する準備をする熱西堤さん(7月22日撮影・耿馨寧)。

新疆庫車市で、焼き上がったナンを店先に運び、販売する準備をする熱西堤さん(7月22日撮影・耿馨寧)。

熱西堤さんは2020年、第1回全国技能大会の「中華絶技」における会場での実演パフォーマンスにゲストとして招待されて広東省広州に赴き、自身の技術を披露した。彼のナンを焼く技は、大喝采を浴びた。熱西堤さんはそれ以来、庫車の巨大ナンの普及に努め、より多くの人々にナンを通じて新疆への理解を深めてもらうために活動を続けている。

第1回全国技能大会「中華絶技」の会場で、実演ゲストとして参加したあと、記念写真を撮影する熱西堤さん(資料写真、写真提供・庫車市融メディアセンター)。

第1回全国技能大会「中華絶技」の会場で、実演ゲストとして参加したあと、記念写真を撮影する熱西堤さん(資料写真、写真提供・庫車市融メディアセンター)。

古い庫車の街にあるナン店から、烏魯木斉(ウルムチ)大バザールにあるナンをテーマとした展示館まで、ナンのより活き活きとした姿が、人々の目に触れるようになってきた。多種多様な形や味のナンは、観光客にとって無くてはならないお土産であり、可愛らしいナンをモチーフにした文化クリエイティブグッズや、ナンを容器にしたコーヒーやヨーグルトは、若い観光客に人気の「SNS映え」アイテムとなっている。

烏魯木斉大バザールの歩行者天国で観光客が購入したナンコーヒー(7月23日撮影・王菲)。

烏魯木斉大バザールの歩行者天国で観光客が購入したナンコーヒー(7月23日撮影・王菲)。

烏魯木斉大バザールの歩行者天国にある文化クリエイティブグッズ店に並ぶナンをテーマにしたグッズ(8月21日撮影・王菲)。

烏魯木斉大バザールの歩行者天国にある文化クリエイティブグッズ店に並ぶナンをテーマにしたグッズ(8月21日撮影・王菲)。

庫車の巨大ナンには、熱西堤さんのような熟練した職人のこだわりが詰まっており、また新しい時代の革新と活力が秘められている。現在、こうした日常生活の中でナンが再び輝きを放つようになっている。(編集KM)

「人民網日本語版」2025年9月15日

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