「イチゴをいつでも食べられる」 中国西南地域最大のスマート立体イチゴ工場を訪ねて
「実家でも農作業をしていたが、ここに来て初めて『鍬を使わず、天候にも左右されない』農業があることを知った」――4日午前、四川省成都市温江区の中農・スーパー植物工場内で、収穫作業員の熊栄華さんは防塵服、マスク、手袋を着用し、スマートエアシャワー室で消毒を終えると、イチゴの無菌栽培室へ入った。高さ11段の立体栽培ラックを前に、熊さんは古い葉を摘み、花や果実を間引き、収穫を行う日常作業を手際よく進めていた……。

成都市温江区にある西南地域最大規模の立体栽培型スマートイチゴ工場。撮影・張浪
この完全環境制御型イチゴ工場は、四川中農億享農業科技有限公司(四川中農)が運営し、中国農業科学院都市農業研究所が技術支援を行っている、西南地域で最大規模を誇る立体栽培型スマートイチゴ工場だ。従来の露地栽培とは異なり、工場では高度な環境制御システムを用いて栽培条件を完全に管理し、イチゴを365日途切れなく生育させることで、年間を通じてイチゴを食べられるという消費者の夢を現実のものにしている。

11月4日、成都市温江区の中農・スーパー植物工場でイチゴの管理作業を行うスタッフ。撮影・張浪
四川中農の生産部部長・趙中瑩氏は、「従来の露地栽培では季節や天候に左右され、年に3~4回しか収穫できないが、当工場では年間10回の安定収穫が可能だ。工場は今年6月に試験稼働を開始し、現在は順調に最初の豊作期を迎え、継続的に大量の果実を生産している。収穫したてのイチゴは、即座に提携先へ出荷される。現在の生産能力から推計すると、5つの作業エリアで年間総生産量は73トンに達し、1日当たり200キログラムの新鮮なイチゴを出荷できる」と説明。

11月4日、垂直リフトを使ってイチゴの管理作業を行う工場スタッフ。撮影・張浪
趙氏は工場内に密集するセンサー機器を指しながら、「スマート工場の中核は、イチゴの生育を『プログラム化』して人の手を減らし、より精密に制御することだ。工場の環境制御システムには、LED補光時間、温湿度、根への灌水量や養分供給比率といった全工程の設定が事前に組み込まれており、すべての主要パラメータが自動で調整される。また、各種センサーがイチゴの生育データをリアルタイムで監視し、異常があれば速やかに警告を出す仕組みになっており、精密な栽培管理の科学的根拠を提供している」と語る。(編集YF)
「人民網日本語版」2025年11月5日
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