持続的円安が映し出す日本経済の深層レベルの苦境

人民網日本語版 2026年04月01日11:18

(画像著作権はCFP視覚中国所有のため転載禁止)

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最近、国際市場での原油価格高騰にともなって、日本円に対する下落圧力(円安圧力)が一層高まり、一時は1ドル=160.45円の水準まで円安が進み、ついに160円の警戒ラインを超えた。160円は市場において、日本政府が為替介入する警戒水準と見られている。国際決済銀行(BIS)がまとめたデータによると、円の実質実効為替レート(2020年のレートを100とする)は1995年に史上最高の193.95を記録してから低下し、今や3分の2以上下落して67.73まで低下した。「失われた30年」から現在の高インフレ・マイナス成長が同時に起こる局面に至るまで、持続的な円安の背後には、日本の経済成長の深刻な原動力不足がある。人民日報が伝えた。

まず、輸入型インフレが民生の負担を増大させている。現在の円安は2022年の米連邦準備制度理事会(FRB)による大幅な利上げに端を発しており、利上げ後に円・ドルの金利差が急速に拡大して日本から資本が流出し、円相場は暴落。2022年1-10月の下落幅だけで30%を超えた。日本はエネルギーの輸入依存度が高く、為替相場の暴落は輸入コストの上昇に直結し、今年2月末時点で、日本銀行(中央銀行)の輸入物価指数(2020年を基準とする)は167.3となっている。輸入型インフレは消費サイドに急速に波及し、日本の消費者物価指数(CPI)は4年連続で政策目標の2%を超えるというまれに見る事態になった。より深刻なのは、日本の食料自給率(カロリーベース)が主要先進国の中で最低水準になり、食品価格の高騰によって2人以上の世帯のエンゲル係数(消費支出に占める食費の割合)が25年第3四半期(7-9月)に29.4%まで急上昇し、1981年以降の最高を更新したことだ。

次に、実質賃金の伸びの遅れが、内需の回復を制約している。2024年、2025年と2年続けて名目賃金の上昇率が5%を超えたが、賃金上昇率は物価上昇ペースに追いついていない。厚生労働省の25年の統計によれば、日本では名目賃金から物価上昇分を差し引いた実質賃金が4年連続でマイナス成長になった。その影響で、実質個人消費支出は23年も24年も減少し、25年に増加に転じたものの、引き続き0.9%の低水準で低迷している。

さらに、政策協調がより一層難しくなり、財政赤字が悪化している。日銀は為替相場の変動とインフレ圧力に対応するため、マイナス金利政策を含む大規模金融緩和政策を終了し、金利を0.75%まで徐々に引き上げて95年以降で最も高い水準とした。しかし、円安の流れを食い止めるのは簡単なことではない。日本の政策当局内にも深刻な意見の対立があり、日銀がさらなる利上げを目指したものの、政府に反対された。高市政権は財政拡張路線に固執し、大規模減税(食料品の消費税ゼロなど)を約束するとともに防衛予算を拡大しており、これは財政赤字を一層悪化させることとなる。日本の財政状況に対する市場の懸念は国債の投げ売りを引き起こし、10年満期国債の利回りは今年1月に27年ぶりの高水準となった。債券市場と為替市場の「ダブル安」局面により、日銀は利上げによるインフレ抑制と債務危機の発生防止の間で進退窮まる状況に陥っている。

このほか、米国の円安に対する態度が日増しに強硬になっている。25年3月、トランプ大統領は公開の場で円安を批判し、日本では第2の「プラザ合意」になるのではないかとの懸念が広がった。最近、米国は直接的に圧力をかけ、ニューヨーク外国為替市場で日本を対象にレートチェックメカニズムを発動し、円安や金利上昇などのリスクに備えようとしている。これと同時に、日本の外交政策の急激な転換が周辺関係国の緊張を引き起こし、インバウンド消費の回復を妨げ、デジタル貿易の赤字を拡大させた。最近の地政学的な衝突が引き起こした世界のエネルギー価格の変動も加わって、日本経済が直面する外部環境は厳しさを増している。

円安は金融の問題というだけでなく、日本経済の構造的問題の縮図でもある。深刻な高齢化、産業空洞化の進行、イノベーションの原動力不足を背景として、単に金融緩和や中央銀行による政府赤字の補填に頼るだけでは退勢を転換させることはできない。もし日本が経済成長の内在的な原動力を根本から再構築し、財政・金融政策協調メカニズムを整理し、軍拡路線への衝動を抑えることができなければ、日本経済はおそらく「低成長・高債務・弱い通貨」の泥沼にますます深くはまっていくだろう。(編集KS)

「人民網日本語版」2026年4月1日

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