「AIドライバー」が運転する路線バスに乗るのは、どんな気分?

人民網日本語版 2025年06月19日14:36

走行中なのに、運転席には誰もおらず、ハンドルだけがくるくる回っている路線バスに乗るのは、どんな気分だろうか?これは「AIドライバー」が運転する路線バスだ。自動運転技術開発ベンチャーの「馭勢科技」(UISEE)が独自に研究開発した自動運転レベル4(高度運転自動化)のB19自動運転バスに乗ると、ミステリアスな「AIドライバー」の「ベールをはがす」ことができる。人民日報アプリが伝えた。

B19自動運転バスの外観は、他の路線バスの車両とほとんど変わらないものの、ルーフに搭載されているたくさんのカメラなどのセンサーを見ると、好奇心がわいてくる。車内のディスプレイには、道路の状況がリアルタイムで表示されており、乗客はそれを見れば、一目瞭然で走行状況を把握することができる。

走行中のB19自動運転バス。

走行中のB19自動運転バス。

「AIドライバー」は、「脳」もあれば、「目」もある。「脳」は自動運転コントローラーで、「目」はルーフに搭載されているセンサーで、「六方に目を配る」ことができる。

スタッフによると、B19自動運転バスには、遠距離LiDARや近距離ブラインドスポットLiDAR、アイレベルカメラ、中望遠カメラ、魚眼カメラといったたくさんのセンサーが搭載されており、200メートル前後の範囲で、360度死角なしで、情報を収集し、「脳」にそれを送ることができる。「脳」は、ミリ秒級の反応で、効率的に認識し、アルゴリズムを通して、理にかなった正確な意思決定をすることができ、予定のルート走行、自動障害回避、インフラストラクチャ協同、交差点走行、自動車線変更、自動追従走行、緊急車両に道を譲るといった機能を実現している。

赤信号で自動で停車したB19自動運転バスの前を歩く歩行者。

赤信号で自動で停車したB19自動運転バスの前を歩く歩行者。

自動運転とはいっても、試乗の時には、安全確保のためにスタッフが乗車している。その主な仕事は、走行中の突発的なトラブルに対応することだ。例えば、バスにトラブルが発生した際、スタッフが座の横にある緊急停止ボタンを押すと、バスはすぐに停車し、乗客の安全を確保することができる。

このバスには、乗客の安全を守る特別なメカニズムもある。例えば、各座席の下に、圧力センサーが設置されており、乗客がシートベルトを着用しているかを検出することができる。もし、乗客がシートベルト着用を忘れていると、車内でそれを知らせる警告音が鳴り、コントロールパネルにも表示される。

シートベルトを着用する男性。

シートベルトを着用する男性。

中国の国家「専精特新(専門化・精密化・特徴化・新規性)」の「小巨人企業(高い成長性または大きい発展のポテンシャルを持つテクノロジーイノベーション中小企業)」で、北京市のユニコーン企業、北京市デジタル経済の代表的な企業でもある馭勢科技は、「『AIドライバー』が様々な業界にサービスを提供する」を目標に、「オールシーン、完全無人、全天候」の自動車運転技術を研究しており、独自に研究開発した高度に安全なオールシーンのレベル4の自動運転システム・U-Driveは、世界に安全で信頼できる「AIドライバー」を提供し、「乗用車」、「商用車」、「産業車両」、「特殊用途車両」の4大分野において10カテゴリーの自動運転の典型的なシーンを打ち出している。

北京市科学技術委員会や中関村管理委員会のプロジェクト、資金のサポートの下、馭勢科技は、国産化スマート運転のドメインコントローラ研究開発を展開し、特定のシーンにおいて、小ロットの応用を始めている。そして、今年末までに、大規模搭載が始まる見込みだ。馭勢科技の共同創始者である呉甘沙・董事長兼最高経営責任者(CEO)は、「『一帯一路』(the Belt and Road)共同建設の波に乗り、海外進出を堅持し、これまでに、サウジアラビアやアラブ首長国連邦、シンガポール、カタールなどで、自動配送、自動バス、自動物流といった多様な自動運転サービスを提供してきた」としている。(編集KN)

「人民網日本語版」2025年6月19日

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