世界科学文献データプラットフォームが公開 9000万件近くの文献データを収録
2025年世界デジタル経済大会の「ビッグデータ革新応用フォーラムならびに北京データ先行区発展大会」が2日に開催され、その中で世界科学文献データプラットフォーム「東壁」が発表された。中国新聞社が伝えた。
同プラットフォームは世界各国の高品質な科学技術文献のメタデータ9000万件近くを収録し、人工知能(AI)機能も導入されている。プラットフォームの基礎的な機能は全世界のユーザーに無償公開され、高効率な文献検索、引用分析、データ追跡などのサービスを通じて、質の高い科学技術研究の促進を目指している。
同プラットフォームは、国連工業開発機関の投資・技術促進事務所と東壁科技データが共同で発表したものだ。東壁科技データの創業者で、深セン大学の特別招聘教授の呉登生氏は、「科学技術研究の問題提起、背景調査、実験設計、データ収集と分析、結果の検証、成果の普及を含む全プロセスのあらゆる段階において、科学文献データプラットフォームの支えが不可欠だ」と語った。
呉氏は、「今回公開されたプラットフォームは、中国の研究機関が独自に設計した評価指標体系に基づき、独自に収集・処理・構築したものであり、完全な知的財産権を有している。特に研究開発チームは、新たな理論手法である『シードジャーナル引用追跡+引用ネットワーク階層構造分類』に基づいて『東壁指数』を開発し、品質の等級付けを追加し、従来の評価指標が引用数のみに依存していた限界を克服し、より客観的・実際的・正確に、学術誌の権威性と影響力を反映できるようにしている」と説明した。
また、同プラットフォームでは、中国の科学界・教育界の慣習に沿って、収録した学術誌を学問分野別に分類している。呉氏は、「これにより、研究者は自身の専門分野の境界をより明確に理解できる一方で、行政機関に対しても、より的確な意思決定支援を提供できる」と述べた。
さらに呉氏は、「大半の学術論文は読解のハードルが高く、読者には高度な科学的素養と専門知識が求められる。専門外の研究者が論文を通じて、その学者の研究内容を理解するのは非常に困難なことだ」と指摘したうえで、「同プラットフォームは大規模言語モデルの力を活用し、すべてのユーザーに『AIアシスタント』が提供されるようなものだ。ユーザーは平易な言葉で、各学者の研究分野、研究の特徴、顕著な貢献などについて『アシスタント』に尋ねることができる」と述べた。(編集ES)
「人民網日本語版」2025年7月4日
注目フォトニュース
関連記事
掲載された記事、写真の無断転載を禁じます。
Tel:日本(03)3449-8257 Mail:japan@people.cn