映画「南京照相館」公開 南京大虐殺の証拠を残すために行動した庶民を描く
南京大虐殺を題材にし、当時の旧日本軍の悪行を描く映画「南京照相館(Dead To Rights)」が今月25日に封切られ、翌日には興行収入が1億元(1元は約20.7円)を突破した。
1937年に陥落した南京を舞台とした「南京照相館」は、「吉祥照相館(写真館)」に閉じ込められた7人の南京市民にスポットを当てている。7人は、1日でも長く生きるため、やむを得ず旧日本軍のカメラマンが撮影した写真を現像する。しかし、現像したのは旧日本軍の大虐殺を証明する写真だった。7人はただ生き延びたいという思いだったものの、自分たちが現像した写真に、誇るかのように平然と悪行を犯す旧日本軍の姿や、悲惨な目に遭う同胞の姿、民族が存続するか滅亡するかの重大な局面が映し出されていたのを見て、そのネガフィルムを持ち出すことにする。
女優の佟麗婭(トン・リーヤー)は7月25日、SNSのアカウントに、「息子と一緒に『南京照相館』のプレミア上映会に行った。見ている間、息子はずっと泣きじゃくっていた。若い世代にとって、これは単なる映画ではなく、命に刻まれる歴史の授業とも言える」と書き込んだ。
SNSプラットフォームを見ると、映画を見に行った多くの人が、見終わった後も観客が座ったままの様子を捉えた写真をアップし、「見終わって電気がついても、みんな立ち去ろうとしない。掃除をするおばさんも早く出るようせかさない。みんな気持ちが落ち着くのを待ってから、無言で立ち去っていった」や「誰も立ち上がろうとせず、申し合わせたようにじっと動かない」といったコメントを寄せている。
同作品は、戦争に巻き込まれる一般市民に焦点を合わせている。7人は殺されるかもしれないという状況下で、生き延びるためにもがき、無力感や絶望に襲われる。ただ生きて普通の暮らしをすることだけを望む庶民である彼らが、危機に直面した時、勇気ある行動を起こす。そして、生き延びるだけでなく、大虐殺の証拠を残すために、7人は中国人なら誰でもする選択をする。申奥(シェン・アオ)監督は、ごくありふれた普通の人々が「自分が生き延びたい」という気持ちから「大虐殺の証拠を残したい」という気持ちへと変化していく過程には「覚醒の力」がはっきりと見て取れ、「生き延びたい」という思いから「覚醒」への変化が、この映画で最も人の心を揺り動かすコアの部分だとしている。(編集KN)
「人民網日本語版」2025年7月29日
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