断崖絶壁に村人たちが切り開いた「伝説の道」 今では人気観光スポットに

人民網日本語版 2025年07月30日15:03
断崖絶壁に村人たちが切り開いた「伝説の道」 今では人気観光スポットに
高さ100メートルの断崖絶壁に作られた「回廊」。観光のオンシーズンを迎え、多くの観光客で賑わっている。(撮影・宋芳鑫)

午後に降った雨がやみ、うすい靄に包まれた太行山脈では、断崖絶壁に作られた道路「郭亮挂壁公路」の35個の「窓」から太陽の光が差し込み、その光によってできた明暗のコントラストが山脈に青々と茂る木々と「競演」して、神秘的な景色を織りなしていた。人民網が伝えた。

河南省新郷市管轄下の輝県市沙窯郷に属する郭亮村は、太行山脈の山奥にあり、数十年前までは他の場所と隔絶され、自給自足をするしかない貧しい村だった。村民たちが山を下りるには、宋の時代に作られた階段を使うしかなかった。1972年、郭亮村の村民はたがねやハンマーなどを使って、断崖絶壁を掘削し、道を作り始めた。5年かけてコツコツと作業を進め、標高1700メートルの断崖絶壁に、長さ1250メートルの「回廊」が開通した。完成までに延べ3万人が作業し、掘削した岩は2万4000立方メートルに達した。その回廊が、壁に掛けられているように見える道路「挂壁公路」、別名「郭亮トンネル」だ。

他の地域に行くためには階段を使うしかなかった郭亮村の運命は、「郭亮トンネル」ができたことで大きく変わった。今では、「断崖絶壁の回廊」は大人気の観光スポットとなっている。夏休みシーズンになると、トンネル内は、郭亮村の村民の偉大な功績に驚きの声を上げる観光客で大賑わいとなる。また、トンネルの外を見ると、太行山脈の美しい景色が広がっており、観光客らがあちらこちらで記念写真を撮影している。観光業が盛んになり、郭亮村の村民の収入も増え、豊かな生活を送ることができるようになった。郭亮村は今、その歴史と自然の美しさを活かして、農村振興の新しい物語を綴っている。(編集KN)

「人民網日本語版」2025年7月30日

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