もしその電話がなかったら、劉洪坤さん(35)は今ごろ、先天性心臓病を持つ5歳の娘と一緒に遊んでいただろう。もしその電話がなかったら、劉洪魁さん(28)は新妻とともに、山東省済寧市の実家に帰省し、家族との団らんを楽しんでいただろう。だが、北京時間10月11日午前2時59分、全てが変わった。ラジオ中国之声「新聞縦横」が伝えた。
この日、北京119指揮センターに、石景山区苹果園南路東口にあるデパート・喜隆多で火災が発生したとの通報が入った。火の勢いは強く、かなり緊迫した状況という。午前3時03分、石景山消防分隊八大処中隊は、喜隆多商場の消火活動を支援するよう、本隊指揮センターから指令を受けた。3時20分、副中隊長を務める劉洪魁さんは他の隊員とともに現場に駆け付けた。10分後、その日は出勤ではなかった石景山消防分隊司令部参謀長の劉洪坤さんも現場に到着した。
3時間後、劉洪坤さんと劉洪魁さんは、ともに火の海の中に消えた。8時間後、消防隊員が力の限りを尽くし、大火災はようやく消し止められた。商店や住宅には死傷者はいなかった。しかし、火災初期に火の海に飛び込んだ劉洪坤さんと劉洪魁さんは帰らなかった。隊員達が彼らを発見した時、2人はしっかりと寄りそうように息絶えていた。
劉洪魁さんはまだ28歳で、新婚3カ月だった。武装警察の少校である劉洪坤さんは、中華人民共和国建国以来の北京市消防隊の殉職者のうち、最も位の高い指揮官だった。多くの北京市民が、自発的に石景山区消防分隊の入口に花束を捧げ、犠牲となった2人の消防士に哀悼の意を示した。(編集KM)
「人民網日本語版」2013年10月15日
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