3月3日午後、中国から韓国に贈られたジャイアントパンダの「愛宝」と「楽宝」を乗せたチャーター機が韓国インチョン(仁川)国際空港に到着、今後15年におよぶ彼らの韓国での生活がスタートした。人民日報が伝えた。
「私たちの友よ、こんにちは!」と韓国語と中国語のピンインで書かれた横断幕が、空港の外で翻っていた。韓国の人々は、中韓両国の国旗と「愛宝」「楽宝」をイメージしたアニメキャラが描かれた手旗を振り、歓迎式が開催された。
習近平主席は2014年7月、韓国への公式訪問を行った際に、韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領と面談し、共同研究のために中国がつがいのジャイアントパンダ2頭を韓国に贈ることで合意に達した。「愛宝」と「楽宝」は、中国から22年ぶりに韓国に贈られたパンダとなった。1994年、中国は韓国につがいの「明明」と「莉莉」を贈ったが、アジア金融危機に見舞われたため、中国は1998年に2頭を中国に返した。
「楽宝」は3歳の雄パンダで、活発な性格、木登りが大好きだ。「愛宝」は2歳の雌で、おとなしい性格だが、動作は敏捷という。韓中人文交流共同委員会は、中韓両国のSNSサイトを通じて名前を募集、8500個が集まったが、最終的に「愛宝」と「楽宝」が選ばれた。この2頭のパンダの間に可愛い赤ちゃんパンダが生まれることが、大いに期待されている。
「愛宝」と「楽宝」の新居は、韓国京畿道(キョンギド)龍仁市(ヨンインシ)にある三星愛宝楽園(サムスン・エバーランド)だ。韓国側は、昨年から、中国四川省のパンダ生息地を手本として、「パンダ・ワールド」の建設を進めてきた。独立した室内外のパンダ舎が4カ所設けられた。室内空間は、防音・衝撃吸収機能が備えられている。屋外空間は、野生生息地をなぞらえた環境が形成され、自然採光が実現した。
韓国側のパンダ飼育係を務める姜哲遠さんは、記者取材に対し、「緊張半分、感動半分といったところだ。今年1月初め、四川省のパンダ基地を訪れ、竹を砕いて粥のような餌を作る方法を学ぶ一方で、パンダとの共同生活を通じて、飼育員としての心構えを培った」と話した。2頭のパンダが韓国に到着後6カ月間は、中国側の飼育員会が姜さんと一緒に「愛宝」と「楽宝」を飼育する。中国側の獣医会による1ヶ月間の観察を経て、それ以後は姜さんが飼育の責任を負う。彼は、「2頭のパンダはまだ幼い。彼らが一日も早く韓国での生活に慣れ、元気にすくすくと成長するために、私に課された責任は重大だ」と話した。(編集KM)
「人民網日本語版」2016年3月4日