2017年9月8日  
 

中日対訳健康知恵袋 企画集 北京のお気に入り

新着|政治|経済|社会|文化
中日|科学|動画|対訳|企画
Apple新浪ツイッターFBLINE微信RSS
人民網日本語版>>写真>>社会

絹織物修復師、失われたかつての輝きを取り戻す一針

人民網日本語版 2017年01月19日09:22
絹織物修復師、失われたかつての輝きを取り戻す一針
タンカ(チベット仏教関係の掛軸)を修復する王さん。

文化財を修復する職人たちの日常生活や取り組みを描いた中国中央テレビ(CCTV)のドキュメンタリー番組「我在故宮修文物」の人気が高まるにつれて、これまであまり知られることのなかった職業にスポットが当たるようになってきている。その職業とは文化財修復師。彼らの手によって、「稀にみる珍宝」が細やかな修繕を施され、かつての輝きに満ちた美しい姿を取り戻すのだ。人民網が伝えた。

絹織物は中国古代の文化の象徴とされている。その昔、大量の絹織物が「シルクロード」を経てヨーロッパに伝わり、そのため中国は「絹の国」と称された。中国シルク博物館には、絹織物修復師という絹織物文化財を専門に修復するスタッフがいる。彼らの縫い上げるその一針一針で、ぼろきれのように劣化していた絹織物がかつての天女の羽衣のような美しさを取り戻すのだ。

中国シルク博物館は浙江省杭州市の西湖のほとりに位置し、中国初の絹織物専門の博物館であり、世界最大の絹織物の博物館でもある。同博物館の絹織物修復師である王淑娟さんはまだ30代の若手だが、修復の仕事を始めてすでに10年ほどになるという。

王さんは、「私たちの今の修復方法は破損した紡績品の裏に新しい生地を一枚加えるというもの。それぞれの文化財に合った縫い方で当て布を縫い付けていくことでうまく固定することができる」とその修復方法について説明してくれた。その方法は簡単そうに聞こえるが、修復前に絹織物の文化財の修復案を決め、その文化財の消毒、局部洗い、整える作業など、その工程は多い上に複雑だ。なかでも整える作業というのが最も重要な工程だという。

絹織物の文化財はその他の文化財とは異なり、有機物であるため、月日と共に分子が分解されやすくなる。絹織物が現在までその状態を保ち続けられるのは、非常に珍しいことだといえる。私たちは絹織物を通して、当時の織り方、染め方、ファッションスタイル、さらには持ち主の社会的地位といった情報を知ることができる。つまり、絹織物は一冊の「百科事典」のような文化財なのだ。しかし、その工芸技術が複雑すぎるため、絹織物の修復は世界的にも難しいとされている。中国シルク博物館においては「古いものは古いままで」そして「復元」をその修復の原則としている。人の手で特殊な裏当て材料を縫い付けていく方法は、文化財に手を加えることを最小限に抑えながら「復元」を実現させる。

楼淑■さん(■は王へんに奇)は中国シルク博物館が雇用した第一期修復師のうちの一人。楼さんはもともと毛織物工場の作業員だったので、織り方や生地、型打ちなどの技術にとても詳しかった。1993年に同博物館に採用されると、一通りの実習訓練を受けて、正式に修復師となった。取材当日、楼さんはちょうど慈禧太后(西太后)の死装束を修復していた。酸化や腐敗が進み、絹織物本来の輝きは薄れていたが、高貴な生地と服の上に金色で刺繍された「寿」の字から、その服の当時の華やかさを推し量ることができた。

修復師たちの待遇は一般的にそれほど高いわけではない。待遇などを追い求めがちな浮ついた傾向のある現在の世の中で、そこそこの待遇でもこの仕事を続け、さらにイノベーションを続けている。これは一体何のためなのだろうか?

楼さんはこの質問に対して、「それは絹織物の修復に関する『初心』。修復師たちが努力することで、後世の人々に私たちの輝かしい絹織物文化を知ってもらいたい。実際、どんな事でもそれは同じだと思う。初心を忘れないことが『職人の魂』を育てのだ」と語った。(編集YK)

「人民網日本語版」2017年1月19日


【1】【2】【3】【4】【5】【6】【7】【8】【9】【10】【11】

人民網日本語版LINE公式アカウント開設人民網日本語版LINE公式アカウント開設

图片列表

コメント

最新コメント

おすすめ