グローバル化により、多くの外国人が中国で就職し、定住しており、そんな彼らはかつての「希少種」から、なじみ深い「ガイジン」になりつつある。中国人にとって英語を話すのは全部「アメリカ人」で、外国人なら必ず英語を話せるというのが、かつての固定概念だった。しかし、こうした「外国人」にも変化が生じて来ている。クリスティナさん(31)もその「外国人」の一人だ。ドイツ出身の彼女は中国語の名を「陳暁鳳」と言う。現在ダイムラー社傘下のメルセデス・ベンツ社に勤め、株主総会に関する仕事を担当している。クリスティナさんが中国へ訪れた理由は、多くの多国籍企業の外国人同様、会社に命じられた海外転勤で中国へやってきた。しかし実は彼女は18歳のときから、中国で仕事をするという人生計画があったのだという。
クリスティナさんは自分のアイデンティティーについて悩んだ時期があったという。スイス生まれの彼女の母親は、中国台湾地区出身で、父親はドイツ出身。彼女自身はドイツで育った。彼女の外見から一目でその国籍を当てることは難しい。そんなハーフ顔も、長年彼女を悩ませたという。クリスティナさんは「幼い時は中国語を話せたが、すぐに自分が周りの子どもたちと違うことに気づいた。彼らは私を中国人みたいだと言い、そのことが私の中で最大の欠点のように感じられた。それからは、中国語を話さなくなり、生粋のドイツ人の様に振る舞おうと努力を重ねた。でもこの外見を見れば生粋のドイツ人でないことは一目瞭然だった」と話す。
その後、中国文化に触れる機会が増え、彼女は徐々に自分の中に流れる中国の血を認め、中国語を再び話せるよう、中国をより理解できるよう勉強を始めた。彼女は半年もの時間を中国語学習に費やした。彼女にとって、中国語を学んだことも、自らのアイデンティティーを確立していく中での1つのプロセスだったという。中国語の基礎を身につけてから、ドイツの大学で、アジア経済貿易学科を専攻し、山東省青島市で半年間中国語を学び、江蘇省蘇州市で半年間インターンに励んだ。さらにドイツへ戻ってからは、国際貿易管理の修士学位を取得した。
クリスティナさんは、「中国を実際に訪れてから、自分は中国人だと思えるようになった。そのため、中国語学習に力を入いれて、本当の中国人になれるよう努力した」と明かした。
また「仕事上ではドイツ人として行動するが、考え方はアジア人だ。現在株主総会に関わる仕事に就いているのは、私が、中国語、英語、ドイツ語、フランス語が話せるという長所が生かせるから。彼らは、時々中国法人へ訪れることがある。特に地位の高いドイツ法人の幹部たちには、自分のような『中国通』を必要としている」とした。(編集TK)
「人民網日本語版」2017年1月22日
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