子を持つ親にとって、最大の望みとは子供が一日一日と育つ姿を間近で見守ることだろう。しかし現代社会においては、仕事の負担が重く、子供に日常的に寄り添ってあげるということすら親子にとって贅沢な望みとなってしまいつつある。では子供の成長の足跡を、どうやって留めておけば良いのだろうか？銭江晩報が伝えた。

寧波に住むある婦人警官は、この問題に対して、極めてユニークな答えを出した。それは、繊細でリアルな色鉛筆画によって、娘の成長を記録するというアイディアだ。娘が生まれて初めて飛行機に乗った時の様子、ハロウィンでデビルに仮装した時の様子、キャンディを頬張る可愛らしい仕草など。離れていることが多い娘に対する母親の深い愛情が、これらの絵から満ち溢れている。

この色鉛筆画の作者の名は汪艇さん。汪さんは、寧波市公安局鄞州支局東柳派出所に勤務する婦人警察官で、警察官になって8年のキャリアを持つ。2016年3月13日、汪さんは長女「小糯米」ちゃんを出産した。だが、汪さんも夫も仕事がとても忙しいため、小糯米の育児のための時間を取ることができなかった。仕方なく、汪さんは育児休暇を終えると娘を奉化にある実家に送り届けた。

娘に会う時間はとても少ないが、汪さんの娘に対する愛情が減るようなことはなかった。娘への思いから、彼女は娘の成長を記録する方法について模索し始めた。「写真に残すのは、よくあるやり方だれど、私は絵を描くことが好きだったので、娘の成長を絵で記録したいと思った」と汪さんは話す。

以前は絵を描くことなどできなかった汪さんだが、仕事を始めてから、先生について学び始めたのだという。最初は油絵を学び、妊娠してからは水彩画を勉強した。最初の絵が完成し、紙上に描かれた生き生きとした娘の絵を見て、汪さんは、「良い感じだし、とっても意味があるわ」と思わず口にしたという。

娘が満一歳の誕生日を迎えた時、汪さんは、「これからは、毎月1回、絵を1枚描こう」と決心したという。本当は全部で13枚あったそうだが、1枚は残念ながら紛失してしまい、今は12枚だけ残っている。どの絵も、汪さんが慎重に選び抜いた娘らしさが存分に感じられる作品なのだという。彼女は、娘の写真を観察しながら、A4サイズの紙に絵を描く。1枚完成するのに2時間以上かかるという。

汪さんは、これらの作品を製本し、毎年1冊ずつ作り、娘にプレゼントする計画で、「絵を描くのは、娘が結婚するまでと決めている訳ではない。可能な限り、ずっと描き続けていきたい」と彼女は話した。（編集KM）

「人民網日本語版」2018年3月20日