神奈川県の相模湖交流センターで29日、第二次世界大戦中に建設された相模湖ダムの工事で亡くなった中国人や日本人労働者の合同追悼会が開催された。新華社が報じた。
神奈川県や相模原市の一部の官僚、在日本中国大使館の参事官、在横浜韓国総領事館の職員、在日中国人、朝鮮人、韓国人団体の代表、地元の小中学生など約200人が相模湖のすぐそばに立つ相模湖交流センターで、ダムの建設工事で亡くなった労働者らを追悼した。
追悼会では、まず地元の小学生3人がキャンドルに火をともし、哀悼の意を示し、平和と友好を祈願した。その後、各界からの参加者が追悼の辞を述べた。
在日本中国大使館の倪健・参事官は挨拶の中で、「日本の軍国主義により侵略戦争が起き、アジア諸国の国民に多大な損害と苦痛を与えた。1944年4月、旧日本軍は相模湖ダムを建設するために、中国の山東省から労働者約300人を強制連行し、うち28人が亡くなった。その悲惨な歴史を忘れてはならない。歴史を教訓として、未来に向かい、教訓をくみ取って、悲劇が二度と起こらないようにしなければならない。今年は中日平和友好条約締結40周年で、中日両国の関係も正しい軌道に戻っている。両国政府と国民がこの貴重な局面を大切にし、共に両国関係のさらなる発展を推進することを望んでいる」と語った。
追悼会では、出席者全員が起立し、黙とうし、花が捧げられた。その後、学生らが詩の朗読や舞踊などを披露した。最後に参加者たちが歌を合唱して、亡くなった労働者への追悼の意を示すと同時に、平和な未来を祈願した。
追悼会終了後には、一部の参加者が相模湖ダムで献花し、亡くなった労働者を追悼した。
相模湖ダムは、日本初の多目的用途を備えた「人造湖」で、1940年に起工し、47年に完成した。神奈川県の貴重な水がめとなっているほか、水力発電や観光の面でも重要な役割を果たしている。同ダムの建設には、労働者延べ360万人が携わった。朝鮮人や韓国人、日本人のほか、旧日本軍により強制連行された中国人約300人も建設に参加した。過酷な労働条件に加え、非人道的な扱いを受け、名前の記録がある労働者だけでも、中国人労働者28人を含む労働者83人が命を落とした。
追悼会は、地元住民らでつくる合同追悼会実行委員会が1979年から毎年7月末に行われている。(編集KN)
「人民網日本語版」2018年7月30日
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